ベン・ベラ

ムハンマド・アフマド・ベン・ベッラの生涯と業績

ムハンマド・アフマド・ベン・ベッラ（1916年12月25日 - 2012年4月11日）は、アルジェリアの独立を目指した政治活動に多大な貢献をした人物であり、初代大統領として国家の礎を築いたことで知られています。彼はアルジェリアの西部に位置する小都市マグニアに生まれ、スーフィーの信仰を持つ家族に育ちました。

初期の経歴

1936年、彼はフランス軍に志願兵として入隊し、第二次世界大戦中は自由フランス軍の一員としてイタリア戦線で戦いました。この戦争での功績により、彼は数度勲章を授与されています。戦後、アルジェリアに戻ったベン・ベッラは地方警察官として働こうとしましたが、登録を拒否され、フランスの植民地支配に疑問をもち、反植民地主義運動に加わりました。この活動が原因で、彼は当時の政府によって逮捕されることになりますが、以後は彼の政治的活動が進展することになります。

1949年、彼はオランにあるフランス軍の士官詰所を急襲し、その後逮捕され収監されました。しかし、1952年には脱獄を果たし、アルジェリア独立戦争が始まる1954年には、民族解放戦線（FLN）の指導的存在となりました。

独立闘争と大統領就任

彼はエジプトやリビアに逃れつつ、アルジェリアの独立を求める戦闘を繰り広げました。1956年にはチュニジアからの航空機ハイジャック事件を引き起こし、その後再び捕えられることになりますが、この間に臨時政府の副首相に選ばれます。

1962年、アルジェリアは独立を果たし、ベン・ベッラは1963年に初代大統領に就任します。彼は社会主義的な政策を推進し、非同盟運動の発展にも寄与し、国際的にアルジェリアの地位を向上させました。

軍事クーデターとその後

しかし、1965年に軍事クーデターが発生し、彼は失脚。以降1980年まで自宅で軟禁されることになります。この間、彼の存在はタブー視され、公の場で彼の名が出ることは滅多にありませんでした。

1978年にブーメディエンが亡くなると、ベン・ベッラは自宅軟禁が解除され、スイスでの10年間の生活を経て1990年にアルジェリアに帰国します。

晩年と影響

帰国後、彼は「アルジェリア民主主義運動党」を設立しますが、選挙では2パーセントの票しか得られず、その後党は解散を余儀なくされます。晩年は政治の表舞台から離れつつも、アルジェリアの現政権に対して批判を続けました。

彼は2012年に93歳で亡くなりましたが、彼の功績や影響力は現在も多くの人々に記憶されています。また、彼の母語はフランス語でありながら、獄中でアラビア語を習得したとされ、その言語能力は彼の後の政治活動において重要な役割を果たしました。彼はエジプトのナセルと会談した際にアラビア語を話せなかったことを悔やんだとも言われます。彼のフランス語訛りのアラビア語は、地元民には理解しづらかったという面白いエピソードも残っています。

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