ベーカーティリーインターナショナル

ベーカーティリーインターナショナル：グローバル展開する会計事務所

ベーカーティリーインターナショナル（Baker Tilly International）は、ロンドンに本部を置く世界有数の会計事務所です。世界10位規模を誇り、監査、会計、税務、コンサルティングといった幅広い専門サービスを提供しています。その歴史は、複数の会計事務所の合併によって始まりました。

歴史：合併と成長の軌跡

1988年、ベーカー・ルークとホワード・ティリー＆カンパニーの合併によってベーカーティリーインターナショナルは設立されました。ベーカー・ルークは、1923年設立のベーカー・トッドマン、1901年設立のルーク・レーン、そして1910年設立のアムスドン・コサート・アンド・ウェルズといった複数の老舗会計事務所が合併・統合することで形成されました。一方、ホワード・ティリーも1870年設立のホワード・ハウズと1872年設立のブラウン・ピート・アンド・ティリーが1972年に合併して誕生した事務所です。これらの歴史ある会計事務所の統合によって、ベーカーティリーインターナショナルは強固な基盤を築き上げました。

2013年には、イギリスにおいてRSMインターナショナルの現地ファームであったRSM Tenonを買収し、既存のメンバーファームであるBaker Tilly LLPと統合しました。その後、2014年にはRSMインターナショナルのイギリス国内メンバーファームとなり、2015年にはブランド名をRSM UKに変更しました。このため、現在イギリス国内ではベーカーティリーのブランドネームは使用されていません。

グローバルネットワーク：世界規模の展開

現在、ベーカーティリーインターナショナルは世界141ヶ国、745拠点に165のメンバーファームを展開しています。アジア太平洋、ヨーロッパ・中東・アフリカ、北アメリカ、南アメリカの4つの地域に28,000人以上の従業員が所属し、グローバルなネットワークを構築しています。

業務内容：多様な専門サービス

ベーカーティリーインターナショナルは、以下の4つの主要な業務を展開しています。2015年の業務収入を参考にすると、その規模感がわかります。

監査業務（Audit）: 1,383百万米ドル
会計業務（Accountancy）: 468百万米ドル
税務業務（Taxation）: 943百万米ドル
コンサルティング業務（Consultancy）: 1,014百万米ドル

これらの業務を通じて、多様な規模と業種のクライアントに対し、高品質な専門サービスを提供しています。

日本における活動：複数のメンバーファーム

日本においては、複数のメンバーファームがベーカーティリーインターナショナルのネットワークに加盟し、監査業務などを提供しています。Baker Tilly Japan（BTJ）のメンバーファームとして、清陽監査法人（東京）、監査法人日本橋事務所（東京）、監査法人グラヴィタス（京都）、如水監査法人（福岡）などが挙げられます。これらのメンバーファームは、Baker Tilly Internationalの独立したメンバーファームでもあります。

BTJには、これ以外にも小規模な監査法人が複数加盟しており、他の国際会計事務所とは異なる特徴的な構造となっています。最大のメンバーファームは清陽監査法人であり、森ビル、森トラスト、常石造船といった大手企業を主要クライアントとしています。監査法人日本橋事務所は、シチズン時計やNOKなどを主要クライアントとしています。

税務業務は、ベーカーティリージャパン税理士法人とBTJ税理士法人が提供しており、クリフィックス税理士法人もBTJのみに加盟しています。

ベーカーティリーインターナショナルは、その長い歴史とグローバルなネットワーク、そして多様な専門サービスによって、世界中の企業や組織を支援しています。日本のメンバーファームも、それぞれ地域に根差した活動を行い、日本の経済発展に貢献しています。

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