ペイブウェイ

ペイブウェイ（Paveway）

ペイブウェイはアメリカ合衆国が開発した航空機搭載型の精密誘導爆弾で、その設計は精度向上を目指して機能が追加され続けています。名前の「Paveway」は、英語で直訳すると「舗装された道」を意味しますが、略称の「PAVE」は「Precision Avionics Vectoring Equipment」の頭文字を取ったもので、アメリカ空軍の電子誘導装置の一連の技術を示しています。これによりペイブウェイは、「スマート爆弾」としての地位を確立し続けています。

概要

ペイブウェイは、数十年にわたって生産されている精密誘導爆弾の中でも、最も多く製造されたモデルとして知られています。初期型から進化を遂げ、誘導精度や信頼性を向上させるために多数のシリーズが誕生しました。このプログラムは1964年に始まり、初期のペイブウェイIモデルはテキサス・インスツルメンツ社によって開発され、以降レイセオン社がシリーズの製造を引き継ぎました。現在では、JDAM（Joint Direct Attack Munition）や小直径爆弾（SDB）などの新しい兵器が登場し、ペイブウェイの市場における影響力は減少しつつあります。

開発

ペイブウェイの開発は1964年に始まりました。当初、近赤外線波長を検出できるレーザー誘導装置が装備されたM117 750ポンド爆弾による試験が実施され、その後正式に計画が進展しました。1968年にはベトナム戦争で試験的な使用が行われ、命中精度は良好でしたが、一部信頼性の問題が指摘されました。

各シリーズ

ペイブウェイI

ペイブウェイの最初のシリーズであるペイブウェイIは、従来の自由落下型爆弾をベースにレーザー誘導装置を取り付けた形状です。これにより、爆弾は精密に目標を狙うことができるようになりました。いくつかの型式が存在し、GBU-10（Mk 84 2,000ポンド）、GBU-12（Mk 82 500ポンド）などがあります。

ペイブウェイII

ペイブウェイIIは1974年に試作が始まり、1977年から量産が開始されました。これにより、輸送や搭載が容易な形状に改良され、約10万発以上が生産されました。このシリーズでもGBU番号が使用され、相変わらずレーザー誘導を利用しています。

ペイブウェイIII

1986年に導入されたペイブウェイIIIは、シーカーが全面的に更新され、より高い性能を持っています。しかし、その生産数はペイブウェイIIよりも少なく約10,000組でした。特徴としては、シーカー装置が固定式になり、より広い視野を持つように設計されています。

向上型ペイブウェイ

1990年代には、逆境に強い誘導方式が求められ、GPSと慣性航法を組み合わせた新技術が開発されました。これに基づいて改良型ペイブウェイ（Enhanced Paveway IIおよびIII）が生まれ、レーザー誘導とGPS誘導の併用が可能になりました。

ペイブウェイIV

ペイブウェイIVは、さらに新たな技術が投入され、現代戦闘における役割を果たすことが期待されています。これにより、より一層の精密さと信頼性が求められています。

このようにペイブウェイは数十年にわたって進化を続け、現在も多くの戦闘任務で使用されている重要な兵器です。「スマート爆弾」としての役割を果たし続け、その技術は今後もさらなる発展が期待されています。

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