ペコリーノ

ペコリーノは、イタリア語で「羊」を意味する「pecora」に由来する、羊乳を原料としたチーズの総称です。その特徴は、長期保存を目的として塩分が多めに使われているため、塩味が強いことです。

食べ方

ペコリーノは、そのまま食べることもありますが、その塩味を活かして、パルミジャーノ・レッジャーノやグラナ・パダーノのように、すりおろしたり細かく刻んだりして料理に使われることが多いです。特に、スパゲッティ・アッラ・カルボナーラやジェノヴェーゼソースなどのイタリア料理には欠かせない材料となっています。

また、ローマなどでは、5月のメーデーの頃に、ファーベ（イタリア語でfava）と呼ばれる収穫したばかりの生食用ソラマメが出回る時期に、ペコリーノとワインを合わせて楽しむ習慣があります。新鮮なファーベは収穫後2〜3日しか日持ちしないため、その時期、その場所でしか味わえない春の風物詩となっています。

種類

ペコリーノには、製造される地方によって様々な種類があります。以下に主なものを紹介します。

DOP（原産地保護呼称）

ペコリーノ・ディ・フィリアーノ (Pecorino di Filiano)
ペコリーノ・シチリアーノ (Pecorino Siciliano)
ペコリーノ・ロマーノ (Pecorino Romano)
ペコリーノ・サルド (Pecorino Sardo)
ペコリーノ・トスカーノ (Pecorino Toscano)

これらのDOP認定を受けているペコリーノは、特定の地域で伝統的な製法を用いて作られており、品質が保証されています。

その他

ペコリーノ・ディ・モンターニャ (Pecorino di montagna)
ペコリーノ・デイ・モンティ・シビッリーニ (Pecorino dei Monti Sibillini)

これらのペコリーノも、それぞれの地域で特徴的な製法で作られています。

関連情報

イタリアのチーズ: イタリアには、ペコリーノ以外にも多くの種類のチーズがあります。
デノミナツィオーネ・ディ・オリージネ・プロテッタ (DOP): イタリアの原産地保護呼称制度です。DOP認定された食品は、特定の地域で伝統的な製法を用いて作られた高品質なものです。
カース・マルツゥ: ペコリーノ・サルドにチーズバエの蛆を湧かせた、特異なチーズです。

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