ペドロ・タドゥラン

概要



ペドロ・タドゥランは、1996年10月29日にフィリピンのアルバイ州リボンで生まれたプロボクサーです。ミニマム級のトップ戦線で長く活躍しており、特にIBF世界ミニマム級王座を二度獲得しています。彼のキャリアは、世界王座への挑戦、獲得、陥落、そして再度の奪取という波乱に富んだものです。

来歴



タドゥランはプロ転向後、着実にキャリアを積み重ね、早期に世界挑戦のチャンスを掴みました。

2018年8月29日、彼はタイのナコーンサワン県でWBC世界ミニマム級王者であるワンヒン・ミナヨーティンとの対戦に臨みました。自身初の世界王座挑戦となったこの試合は、12ラウンドを戦い抜いたものの、ジャッジ3者全員がワンヒンを支持する0-3の判定で敗れ、タドゥランは王座獲得に失敗しました。

世界タイトルへの最初の挑戦こそ実を結びませんでしたが、タドゥランはその後も奮闘を続けました。そして2019年9月7日、フィリピンのタギッグで開催されたIBF世界ミニマム級王座決定戦に出場しました。この王座は、前チャンピオンのディージェイ・クリエルが返上したことによるものでした。対戦相手はサムエル・サルバ。試合は4ラウンド終了時、サルバが棄権したため、タドゥランのTKO勝利となり、彼はIBF世界ミニマム級王座を初めて獲得しました。

IBF王者として、タドゥランは初防衛戦をメキシコで行いました。2020年2月1日、グアダルーペでの試合で、挑戦者ダニエル・バジャダレスを迎え撃ちました。この試合は4ラウンド途中で偶然のバッティングによるタドゥランの負傷によりストップされ、規定によりその時点までの採点による負傷判定となりました。結果は1-0でバジャダレス有利を示すスコアが1人いたものの、残りの2人が引き分けとしたため、0-1の負傷判定引き分けとなり、タドゥランは辛くも初防衛に成功しました。

しかし、2度目の防衛戦で王座を失うことになります。2021年2月27日、ジェネラル・サントスのブァラ・ジムで行われたレネ・マーク・クアルトとの試合は、当初1月に予定されていましたが、新型コロナウイルスのパンデミックの影響で延期されていました。この一戦で、タドゥランは12ラウンドを戦い抜きましたが、3者ともクアルトを支持する0-3の判定で敗れ、王座から陥落しました。

IBF王座を失ったタドゥランは、再び世界タイトル戦線への復帰を目指しました。2022年2月6日、ディゴスで開催されたレネ・マーク・クアルトとのリマッチは、IBF世界ミニマム級タイトルをかけた一戦となりました。雪辱を果たしたいタドゥランでしたが、試合は7ラウンド開始直後に偶然のバッティングでタドゥランが再び負傷するというアクシデントに見舞われ、そのまま試合続行不可能となりました。結果は7ラウンドまでの採点による負傷判定となり、ジャッジ3者のうち2者がクアルトを支持（64-65、64-66）、1者が引き分け（65-65）としたため、0-2の負傷判定負けとなりました。これにより、約1年ぶりの王座返り咲きは叶いませんでした。

再び挑戦権獲得を目指すタドゥランは、2023年12月28日、ボホール島でIBF世界ミニマム級ランキング3位のジェイク・アンパロと、IBF世界ミニマム級挑戦者決定戦を行いました。12ラウンドを戦い抜いた結果、タドゥランが3-0（119-109、118-110、116-112）の明確な判定勝利を収め、当時のIBF世界ミニマム級王者であった重岡銀次朗への指名挑戦権を獲得しました。

そして、2024年7月28日、ペドロ・タドゥランは日本のリングに初めて登場しました。滋賀ダイハツアリーナで行われたIBF世界ミニマム級タイトルマッチで、チャンピオンの重岡銀次朗に指名挑戦者として挑みました。この試合でタドゥランは王者相手に勇敢に戦い、迎えた9ラウンド2分50秒、激しい攻防の末にTKO勝利を収めました。これにより、彼は実に3年5ヵ月ぶりにIBF世界ミニマム級王座へ返り咲き、自身2度目の世界タイトル獲得を成し遂げました。

獲得タイトル



ペドロ・タドゥランがこれまでに獲得した主なタイトルは以下の通りです。


関連項目



もう一度検索

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。