ペドロ・フェリシアーノ

ペドロ・フアン・フェリシアーノ・モリーナ：不屈の左腕、その軌跡

ペドロ・フアン・フェリシアーノ・モリーナ（Pedro Juan Feliciano Molina）は、1976年8月25日にプエルトリコのリオ・ピエドラスで生まれ、2021年11月8日に45歳でこの世を去った元プロ野球選手（投手）です。ニューヨーク・メッツでの活躍が最も知られ、リリーフ投手として数々の記録を打ち立てました。

プロ入りと苦難のマイナー時代

1995年のMLBドラフトでロサンゼルス・ドジャースから31巡目（全体863位）で指名されプロ入り。しかし、最初の4年間はルーキーリーグやA級でのプレーが中心で、1999年には肩の痛みに苦しみ、シーズンを棒に振るなど、決して順風満帆とは言えませんでした。2000年からはAA級・AAA級での登板機会を得るも、メジャー昇格には至りませんでした。2001年10月15日にFAとなると、同年11月19日にシンシナティ・レッズと契約を結び、新たな道を模索します。

メッツでの躍進とソフトバンクでの挑戦

2002年8月15日、ショーン・エステスとのトレードでニューヨーク・メッツへ移籍。同年9月4日にメジャーデビューを果たします。しかし、オフにはデトロイト・タイガースへ移籍、その後放出されるなど、再び苦難の時期を過ごします。2003年にメッツと再契約するも、2年間はAAA級でのプレーが中心でした。

2005年、福岡ソフトバンクホークスに入団。当初は制球難に苦しみましたが、二軍でのフォーム改善を経て一軍に昇格。左のリリーバーとして活躍するも、シーズン中盤以降は負け試合での登板が多く、期待されたほどの活躍はできませんでした。しかし、WHIP1.16という優秀な数字を残し、その実力の一端を示しました。

メッツへの帰還、そして最多登板記録

2006年、メッツに復帰。同年には第1回WBCプエルトリコ代表にも選出され、中継ぎとしてチームの地区優勝に貢献しました。2008年には86試合に登板し、両リーグ最多登板を記録。2009年、2010年も同様に最多登板を記録し、3年連続で両リーグ最多登板という偉業を達成しました。メッツの選手としてはジョン・フランコに次ぐ、球団2位となる484試合登板という記録も打ち立てています。

ヤンキースでの苦悩と引退、そして早すぎる死

2011年、ニューヨーク・ヤンキースへ移籍しますが、肩の痛みが再発し、2年間登板機会を得られませんでした。2013年には古巣メッツとマイナー契約を結びますが、この年に遺伝性の心臓病が発覚し、以降、病に苦しむことになります。その後、カージナルス、カブスとマイナー契約を結びますが、メジャー復帰は叶いませんでした。

2021年11月8日、長年患っていた遺伝性の心臓病により45歳という若さで死去。前日まで家族とジェットスキーを楽しんでいた矢先の悲劇でした。

ペドロ・フェリシアーノは、決して恵まれた体格ではありませんでしたが、不屈の精神と努力でメジャーリーグで長く活躍し、多くの人々に感動を与えました。彼の功績は、これからも野球ファンに語り継がれることでしょう。

記録
NPB
初登板：2005年4月17日、対千葉ロッテマリーンズ4回戦
初ホールド：2005年4月20日、対オリックス・バファローズ6回戦
初奪三振：2005年4月20日、対オリックス・バファローズ6回戦、谷佳知から
初勝利：2005年6月2日、対阪神タイガース6回戦

代表歴
2006 ワールド・ベースボール・クラシック・プエルトリコ代表
* 2009 ワールド・ベースボール・クラシック・プエルトリコ代表

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