ペドロ1世 (アラゴン王)

ペドロ1世：アラゴンとナバラの王、レコンキスタの推進者

ペドロ1世（1068年頃 - 1104年）は、アラゴン王およびナバラ王として、1094年から1104年まで在位しました。父はアラゴン王サンチョ1世（ナバラ王としてはサンチョ5世）であり、異母弟にはアルフォンソ1世、ラミロ2世がいます。

王位継承と領土拡大

1094年、ペドロ1世は父サンチョ1世の死を受けて王位を継承しました。当時、サンチョ1世はウエスカを包囲中に没しており、ペドロ1世は父の遺志を継ぎ、ウエスカの攻略に力を注ぎます。2年後の1096年、ウエスカを征服し、さらに1100年にはイスラム勢力に奪われていたバルバストロを再征服しました。これらの戦果は、レコンキスタ（国土回復運動）における重要な一歩となりました。

短い治世と後継者

ペドロ1世の治世は10年と短いものでしたが、その間に領土を拡大し、キリスト教勢力の版図を広げることに貢献しました。1081年には、アキテーヌ公ギヨーム8世の娘アニェスと結婚しましたが、息子ペドロと娘イサベルはそれぞれ1103年と1104年に相次いで亡くなりました。そのため、1104年にペドロ1世が死去すると、王位は異母弟のアルフォンソ1世が継承することになりました。

レコンキスタにおける役割

ペドロ1世の時代は、イベリア半島におけるキリスト教勢力とイスラム教勢力の対立が激化していた時期にあたります。彼は父王の政策を継承し、領土の拡大を通じてレコンキスタを推し進めました。ウエスカやバルバストロの再征服は、キリスト教勢力にとって大きな勝利であり、その後のレコンキスタの進展に貢献しました。

参考文献

Jiří Louda, Michael Maclagan, Lines of Succession, Little,Brown & Company, 1981.
D.W.ローマックス著、林邦夫訳『レコンキスタ 中世スペインの国土回復運動』刀水書房、1996年。
関哲行・立石博高・中塚次郎『世界歴史大系 スペイン史 1 -古代～中世-』山川出版社、2008年。
西川和子『スペイン レコンキスタ時代の王たち 中世800年の国盗り物語』彩流社、2016年。

もう一度検索