ペピーノ

ペピーノ（Solanum muricatum）

ペピーノは、ナス目のナス科ナス属に属する多年生植物で、特に果実が甘くて芳香を放つことで知られています。この果実は生でスライスして食用にされ、独特の風味から多くの料理に利用されます。ペピーノの原産地は南アメリカで、特にアンデス山脈一帯で古くから栽培されてきました。最近はチリやニュージーランドでの品種改良も進められています。

語源と名称

ペピーノという名前は、エクアドルの公用語であるスペイン語に由来しています。スペイン語で「ペピーノ・ドゥルセ」と呼ばれ、その意味は「甘いキュウリ」です。英語では、melon pear、pear melon、sweet cucumberなどの名称でも知られています。これらの名前は、ペピーノの味や香りがキュウリやメロン、ナシに似ていることから来ています。

植物の形態

ペピーノの草姿は一般的に叢生で、木化した茎を持ち、小潅木状になります。葉は楕円形で互生し、花は房状に10個程度咲きますが、実際に結実するのはそのうち1 - 3個です。果実は漿果と呼ばれる液果で、通常はクリーム色で紫の縦じまが入ります。熟した果実は紫のしまいが増えてほぼ紫色になった頃が食べごろです。

栽培方法

ペピーノは通常、挿し木によって増殖します。種子の発芽率が悪く、繁殖した後の形質も一様ではないため、挿し木が主な方法です。生育に適した温度は日中20 - 25℃、夜間8 - 15℃で、高温には弱い一方、低温には比較的耐えますが霜には注意が必要です。そのため、特に国内での栽培では越冬管理が重要となります。

ペピーノは肥料を好む植物であり、花芽が付き始める際にはリン酸肥料が必要です。また、過湿を避けることも大切で、特に梅雨時期には水やりに慎重になる必要があります。成長の過程では、脇芽がよく出るため、通常は3本か1本の仕立てで管理されます。これにより、花付きや実付きが改善されるのです。

品種の特徴

ペピーノにはいくつかの品種が存在していますが、日本で流通しているのは「ロイヤルカスタード」が中心です。この品種は生食やサラダに最適で、果実が紫色の縞模様を帯びたら収穫のサインです。その他にも、観賞用の「アップリンミミー」や、野菜寄りの用途の「モンロー・ダンス」など、さまざまな品種があります。

主な品種

1. ロイヤルカスタード: 生食向け、栽培しやすい。収穫後は早めに消費が推奨。
2. アップリンミミー: 観賞価値が高く、ハート形の果実が特徴。リンゴの香りがする。
3. モンローダンス: 炒め物や漬物に適する。
4. フィリー: 主に観賞用。
5. ハローイブニング: スイーツ向き、オレンジ色の果肉を持つ。
6. ゴールドNo.1: 幅広い利用が可能な万能種。豊産生。

その他の情報

日本ではペピーノの栽培が進んでおり、さまざまな品種が試みられています。特に「ロイヤルカスタード」は好まれる品種であり、その特徴や栽培方法が広く受け入れられている状況です。今後の栽培技術の向上や品種改良に期待が寄せられています。

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