ペプシマン

ペプシマン：時代を駆け抜けた清涼飲料水のヒーロー

ペプシマンは、1996年に誕生したペプシコーラの日本オリジナルマスコットキャラクターです。アメリカのI.L.M.が制作したCGキャラクターで、大貫卓也が企画を担当しました。日本ではテレビCMを中心に展開され、その独特な世界観とコミカルなキャラクターで一躍人気を博しました。

ペプシマンの活躍

ペプシマンは、CMの中で困っている人にペプシコーラを届ける正義のヒーローとして描かれています。しかし、その活躍はどこかドジでマヌケ。かっこよさが15秒以上続かないという弱点があり、そのコミカルな姿が親しみやすさを生み、多くのファンを魅了しました。

ペプシマンのCMは、単なる商品宣伝にとどまらず、話題性のあるキャンペーンを次々と展開しました。飲料への首掛け景品やボトルキャップブームを巻き起こし、『2001年宇宙の旅』のプレゼントやペプシマンの愛車であるシボレー・コルベットのプレゼントなど、記憶に残る企画を数多く実施しました。

2003年には、ペプシツイストの発売に合わせて「ペプシツイストマン」として再登場。頭にレモン色のニット帽をかぶった姿で、新たなファンを獲得しました。さらに、女性版の「ダイエットペプシツイストウーマン」も登場し、話題を呼びました。

ペプシマンのキャラクター設定

公式設定によると、ペプシマンはNASAが研究していた謎の宇宙金属が、近くにいた研究員が飲んでいたペプシコーラと融合して誕生したとされています。身長190cm、体重95kgという設定で、胸から下にかけて太い赤のライン、その上にペプシのマークが入ったデザインが特徴でした。1998年のパッケージリニューアル後は、左肩から右腹部にかけて青いカラーリングに変更されました。常にチェーンのネックレスを身につけており、走ると音を立てて揺れるのがトレードマークでした。

CMの最後に表示される缶は、ペプシマンが最後に陥った状況を反映しており、ユーモアに溢れていました。例えば、ペプシマンがスノーボードでジャンプに失敗し担架で運ばれるバージョンでは、凹んで横たわったペプシコーラの缶が映し出され、視聴者の笑いを誘いました。

メディアミックス展開

ペプシマンは、CM以外にも様々なメディアで展開されました。Web上では鴻上尚史監修によるリレー小説が掲載され、書籍化もされました。2005年にはトランスフォーマーとのタイアップにより、「キャンペーン司令官ペプシコンボイ」が登場。「NASAで誕生した、意思を持った金属にコンボイの姿を与えたもの」という設定で、ペプシマンのモーフィングの形態の一つとされています。

また、ペプシマンをテーマにしたCDシングルやゲームも発売されました。セガサターンの格闘ゲーム「ファイティングバイパーズ」には隠しキャラクターとして登場。プレイステーション用ゲーム「ペプシマン」は、ペプシコーラの宣伝を兼ねたアクションゲームで、その荒唐無稽な世界観が話題を呼びました。

ペプシマンの終焉と現在

サントリー食品インターナショナルによると、2000年頃からマーケティング戦略の変更により、ペプシマンによる宣伝は展開されていないとのことです。しかし、ペプシマンは多くの人々の記憶に残り、今でもその人気は衰えていません。ペプシマンは、単なる清涼飲料水のキャラクターではなく、時代を象徴するポップカルチャーアイコンとして、その名を刻んでいます。

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