ペリー公園

ペリー公園は、神奈川県横須賀市の南東部、久里浜に位置する市立の歴史公園です。1853年（嘉永6年）、アメリカ合衆国のマシュー・ペリー提督が率いる艦隊、いわゆる黒船がこの地の沖に現れ、日本の近代史における重要な転換点となりました。この歴史的な出来事、特にペリー提督が実際に上陸した場所として伝えられる久里浜の地に、後世にその意義を伝えるために公園が整備されました。公園の管理は横須賀市から指定管理者である横須賀・西武パートナーズに委託されています。

園内には、ペリー来航の偉業を記念する複数の施設が配されています。その中心となるのが、高さ3メートルを超える巨大な石碑、ペリー上陸記念碑です。この記念碑は、日米の友好を願う米友協会によって、提督の上陸から半世紀近く経った1901年（明治34年）7月14日に建立されました。石碑に刻まれた「北米合衆国水師提督伯理上陸紀念碑」という力強い文字は、当時の内閣総理大臣であり、明治の元勲でもあった伊藤博文公の筆によるものです。歴史の重みを感じさせるこの碑は、公園のシンボルとなっています。

記念碑の近くには、ペリー記念館があります。横須賀市の市制80周年を記念して1987年に開館したこの記念館は、ペリー提督の日本来訪に関する資料を展示し、その足跡をたどることができます。建物は地上2階建てで、1階には来航当時の久里浜周辺の様子と黒船の姿を精巧に再現したジオラマ模型が展示されており、当時の緊迫した雰囲気を視覚的に理解する助けとなります。2階は展示室となっており、ペリー提督が久里浜に上陸した際の様子を描いた絵図や、当時の関連資料などが展示され、歴史学習の場として活用されています。入館は無料となっており、気軽に立ち寄ることができます。ペリー記念館の開館時間は午前9時から午後4時30分までで、毎週月曜日（祝日の場合は翌日）と年末年始は休館となります。

公園には歴史的な施設のほか、子供たちが遊べる児童広場も設けられており、地域住民の憩いの場としても利用されています。

このペリー公園が位置する久里浜港一帯は、「みなとオアシス」として登録されており、ペリー公園は「みなとオアシス"ペリー久里浜"」を構成する主要な施設の一つに数えられています。地域の交流拠点としての役割も担っています。

また、毎年7月中旬頃には、公園周辺を会場として久里浜ペリー祭が開催されます。この祭りは、ペリー来航の歴史を振り返り、地域活性化を図る盛大なイベントであり、多くの人々で賑わいます。

ペリー公園へのアクセスは、公共交通機関を利用する場合、JR横須賀線または京急久里浜線の久里浜駅から徒歩で約20分、あるいは両駅からバスに乗り約10分で「ペリー記念碑」バス停で下車するルートがあります。また、東京湾フェリーの久里浜港からは徒歩約10分と近い距離にあります。車での来訪者向けには駐車場も用意されています。

周辺には、季節の花々が楽しめる「くりはま花の国」など、他のレジャースポットもあり、一日を通して歴史散策や自然を満喫することができます。

ペリー公園は、日本の開国という歴史的な瞬間を今に伝え、過去と現在を結ぶ貴重な場所です。記念碑や記念館を通じて、当時の出来事や人々の思いに触れることができ、日本の歩みを学ぶ上で重要な役割を果たしています。

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