ペルー副王領

ペルー副王領

ペルー副王領（スペイン語: Virreinato del Perú）は、スペインが南アメリカ大陸の植民地化の過程で設立した4つの副王領のうち、2番目に創設されたものです。

歴史

1543年に設立された当初、ペルー副王領は現在のベネズエラの海岸部を除く、スペイン領南アメリカのほぼ全域を包含していました。植民地時代を通じて、ペルーはスペイン領アメリカにおいて最も重要な領土と見なされていました。その理由は、莫大な量の銀がヨーロッパに輸出されたからです。特にポトシ銀山は重要な産出地でした。しかし、その繁栄の陰には先住民への過酷な強制労働がありました。この労働力によって、リマの鉱山経営者や富豪商人たちは莫大な富を築き上げました。

しかし、18世紀に入ると、その版図は縮小します。1739年にはヌエバ・グラナダ副王領が、そして1779年にはリオ・デ・ラ・プラタ副王領が設立され、ペルー副王領の領土は分割されることになったのです。リマが南アメリカ西海岸に位置するという地理的な制約、そしてアンデス山脈の険しい地形は、スペイン本国との貿易を困難にし、副王領全体の統治を非常に難しいものにしていました。

さらに、先住民に対する過酷な搾取は、大規模な反乱を引き起こします。1780年には、トゥパク・アマル2世の反乱（1780年 - 1782年）が発生し、ペルー全域に拡大しました。1781年にトゥパク・アマル2世は捕らえられ処刑されますが、先住民の抵抗は1783年まで続きました。この反乱によって、副王領の経済は大混乱に陥りました。

19世紀に入ると、独立の機運が高まります。1821年7月、ホセ・デ・サン・マルティンがペルーの独立を宣言し、リマに入城しました（ペルー独立戦争）。その後、スペイン王室軍は兵力と装備で優位に立っていましたが、1824年12月9日、アントニオ・ホセ・デ・スクレ率いる革命軍は、アンデス山脈のアヤクーチョの戦いでスペイン軍を破りました。この戦いで、ペルー副王ホセ・デ・ラ・セルナとその軍司令官らは捕らえられ、ペルー副王領の残りの領域は、ペルーとチリの独立国の一部となったのです。

関連項目

ヌエバ・カスティーリャ
ヌエバ・トレド
* en:List of Viceroys of Peru

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