ペレアス

ペレアス卿：アーサー王物語の悲劇的な騎士

ペレアス（Pelleas、Pellias）卿は、アーサー王物語の中で名高い円卓の騎士の一人として知られています。彼は「湖の乙女」との結婚によって印象深い存在となり、物語の中で多くの困難と愛情を経て成長します。

初登場と運命の出会い

ペレアス卿は、マロリー版アーサー王物語の中で、冒険の旅に出るガウェイン卿と出会います。この出会いは、エタードという乙女との仲を取り持つための依頼がきっかけでした。しかし、ガウェイン卿がエタードと不適切な関係を持っていることを知ったペレアス卿は、怒りと嫉妬に駆られます。彼は同郎のガウェイン卿に対し、深い憎しみを抱くようになったのです。この出来事は、ペレアス卿にとっての悲劇的なスタートとなりました。

湖の乙女との運命的な愛

その後、ペレアス卿は悲しみの中で放浪の日々を過ごしますが、彼を見初めた「湖の乙女」が現れます。この新たな愛情はペレアス卿にとって救いとなり、2人は互いに愛し合うようになりました。しかし、この愛には試練が待っていました。「湖の乙女」は、ペレアス卿がランスロット卿と同じ側に立たない限り、馬上槍試合の場所に近づけないという魔法を掛けてしまいます。これにより、ペレアス卿は数々の戦いでランスロット卿と戦うことができなくなってしまいます。

騎士としての実力

ペレアス卿は、実際には非常に優れた騎士であったことが証明されています。円卓の騎士に叙せられる前の大会で彼は見事に優勝し、マロリーの記述によれば「フランスの書物によれば、ガウェイン卿よりペレアス卿の方が強い」とされています。この言葉からも、彼の武勇が示されているのです。

メレアガンス卿との戦い

その後のペレアス卿は取り立てて冒険のエピソードがないものの、グィネヴィア王妃が誘拐された際にはメレアガンス卿との戦いに参加します。彼は160人の騎士を率いるメレアガンス卿に対抗し、重傷を負いながらもわずか10人の仲間とともに勇敢に抵抗しました。この戦闘では、ペレアス卿やアイアンサイド卿が中心となってメレアガンス卿の騎士に打撃を与え、彼の勇気と戦闘能力が際立ちます。

安らかな最期

騎士たちが聖杯探求やランスロット卿による内乱の影響で多くの者が命を落とす中、「湖の乙女」に愛されたペレアス卿は、比較的安らかな最期を迎えることができました。彼の物語は、悲しみと愛、忠誠心が織り成す複雑なものとなっており、円卓の騎士たちの中でも特異な存在であり続けています。

まとめ

ペレアス卿の人生は、アーサー王物語の中で愛と裏切り、戦いに満ちたものであり、彼が示した騎士道精神や人間的な苦悩は、多くの人々に感動を与えています。彼の物語を通じて、愛や勇気の大切さを改めて思い知らされるのです。

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