ペンシルベニア (戦艦)

ペンシルベニア (USS Pennsylvania, BB-38)

アメリカ海軍のペンシルベニア（USS Pennsylvania, BB-38）は、1916年に就役した戦艦で、ペンシルベニア級戦艦のネームシップです。その艦名はペンシルベニア州に由来し、アメリカ海軍の歴史の中で重要な役割を果たしました。ペンシルベニアは、同級のアリゾナ（USS Arizona, BB-39）とともに、当時の標準型戦艦として設計され、様々な戦争の場で活躍しました。

概要

ペンシルベニア級戦艦は、ネバダ級戦艦を基にした改良型で、約20ノットの速力と、45口径14インチ三連装砲塔を4基（計12門）搭載しています。竣工時には世界最大の戦艦として、その艦隊旗艦としての能力を有していました。太平洋戦争の開戦時には、太平洋艦隊の旗艦としての任務を果たしています。

1941年の真珠湾攻撃の際、ペンシルベニアは修理のために乾ドックに入っていましたが、爆撃により若干の損傷を受けました。それでも早期に復帰し、その後は哨戒及び護衛任務に従事し続けました。

建造と設計

ペンシルベニアは、1912年に建造計画が始まり、1913年10月に起工し、1915年に進水、1916年に就役しました。設計は、欧州の新型戦艦に対抗するために、火力や防御力の面で改良が施されています。ペンシルベニア級は、主砲の火力や防御力において、当時の戦艦の中でも競争力のある特徴を持っていました。

戦歴のハイライト

第一次世界大戦後、ペンシルベニアは大西洋艦隊の旗艦を務め、数回の国際任務を遂行します。1920年代や1930年代には、カリブ海や南米、西海岸での訓練や演習にも参加しました。特に1929年から1941年までの間に実施された現代化オーバーホールにより、艦の防御力や武装が顕著に向上しています。

1941年の真珠湾攻撃時、ペンシルベニアは直接的な攻撃を免れたものの、その後の修理時に新しい兵器を装備することができ、1942年からは再び戦闘に参加しました。レイテ沖海戦では、スリガオ海峡での激しい戦闘に関与し、連合艦隊の支援を行いました。戦後の1945年、彼女は、原子爆弾実験の標的艦として使用され、1948年に海没処分されています。

戦後の扱い

ペンシルベニアは、戦後にビキニ環礁での原爆実験に参加し、戦艦としての役割を完全に終えました。彼女の長い歴史は、アメリカ海軍の成長と変遷を象徴するものであり、多くの戦功から8個の従軍星章を受章しました。この艦は、全盛期の戦艦の姿を残す貴重な存在となっています。

ペンシルベニアの歴史は、単に戦船としての運用にとどまらず、国際政治や戦争の変遷における重要な証人でもあります。その存在は、今なお多くの海軍オタクや歴史愛好家の間で語り継がれています。

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