ホソバワダン

ホソバワダン（細葉海菜）

ホソバワダン（学名: Crepidiastrum lanceolatum）は、キク科に属する多年草です。和名は、近縁種のワダン（C. platyphyllum）と比較して葉が細いことに由来します。

特徴

分布: 日本では、島根県・山口県の日本海沿岸から沖縄にかけて、また朝鮮半島南部や中国の沿岸部にも分布しています。主に海岸の岩場や山裾に生育します。
草丈: 草丈は20～30cm程度で、地面にロゼット状の葉を広げます。葉の長さは20～30cmに達し、長楕円形のものと羽状に深く切れ込んだものと、二つの形状が見られます。
茎: 茎は基部から多数伸び、太く木質化します。
花: 開花時期は10～11月で、黄色い舌状花を12個ほど持つ頭花を散房状につけます。
果実: 果実は2～3.5cm程度の痩果で、冠毛は3～5mmです。

近縁種との識別

アゼトウナ（C. keiskeanum）によく似ていますが、ホソバワダンは葉が茎の基部を抱くことで区別できます。

食用としての利用

ホソバワダンは強い苦味を持つことで知られていますが、沖縄県ではニガナ（ンジャナ）という名で葉が食用にされています。日本に自生するニガナ（Ixeris dentata）とは別種です。独特の苦味はありますが、滋養が豊富であるとされています。アクが強いため、生食する際は塩水にさらしてアク抜きが必要です。油で和えると苦味が和らぎ、豆腐との白和えが一般的です。

その他

ホソバワダンは、その生育場所や形態から、海岸近くの環境に適応した植物であると考えられます。
食用としての利用は、沖縄の食文化に深く根ざしており、伝統的な食材として大切にされています。

参考資料

ホソバワダン - ウェイバックマシン（2007年11月9日アーカイブ）
* 【顔が歪む！】野生の薬草、沖縄野菜「苦菜（ンギャナ）」を食べてみた

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