ホタル (スピッツの曲)

スピッツのシングル「ホタル」

「ホタル」は、日本のロックバンド・スピッツが2000年4月26日にリリースした21枚目のシングルです。ポリドールから発売され、バンドにとって大きな転換期を示す作品となりました。

リリースの背景

前作「流れ星」から約1年ぶり、ベストアルバム『RECYCLE Greatest Hits of SPITZ』以降初のシングルとしてリリースされました。オリジナル新作としては、1999年1月1日発売の『99ep』以来、約1年3ヶ月ぶりの作品となります。このシングルから、8cm盤から12cmマキシシングル盤へとフォーマットが変更されました。

制作体制

プロデューサーには、当時Scudelia Electroのメンバーだった石田小吉（現・石田ショーキチ）を迎え、エンジニアには同じく同ユニットの寺田康彦が担当しました。この制作体制は、9thアルバム『ハヤブサ』への布石となりました。

楽曲の原型は1999年には既に存在していましたが、当時のスピッツはロック志向が強く、ポップな曲調の「ホタル」のリリースに乗り気ではありませんでした。しかし、石田小吉がこの楽曲をシングルとして強く推した結果、レコーディングに至りました。

カップリングには、セルフプロデュース作品である「ムーンライト」と「春夏ロケット」の2曲が収録されました。これらの楽曲は、1999年秋にレコーディングされ、LAマスタリングが施されています。特に「春夏ロケット」は、レコーディング自体もロサンゼルスで行われました。ミックスはマイアミで行われています。

楽曲の特徴

「ホタル」は、スピッツの新たな一面を引き出した楽曲として評価されています。ポップなメロディと、草野マサムネの繊細な歌声が特徴的です。

「ムーンライト」は、1998年頃から存在していた楽曲で、草野のデモを基に制作されました。しかし、当時のスピッツでは上手く演奏できなかったため、レコーディングが見送られていました。シェイカーの音は打ち込みで表現されています。

「春夏ロケット」は、ロサンゼルスのスタジオで借りたホロウボディのギブソン・レスポールを用いてレコーディングされました。このギターの音色が、楽曲の独特な雰囲気を醸し出しています。

収録曲

1. ホタル
- 作詞・作曲: 草野正宗
- 編曲: スピッツ & 石田小吉
- 収録アルバム: 『ハヤブサ』、『CYCLE HIT 1997-2005 Spitz Complete Single Collection』

2. ムーンライト
- 作詞・作曲: 草野正宗
- 編曲: スピッツ
- 収録アルバム: 『色色衣』

3. 春夏ロケット
- 作詞・作曲: 草野正宗
- 編曲: スピッツ
- 収録アルバム: 『色色衣』

参加ミュージシャン

ホタル

• - 草野マサムネ - Vocals, Harmonica
• - 三輪テツヤ - Guitars
• - 田村明浩 - Bass Guitar
• - 﨑山龍男 - Drums
• - 石田小吉 - Synthesizer, Programming

ムーンライト

• - 草野マサムネ - Vocals, Guitars
• - 三輪テツヤ - Guitars
• - 田村明浩 - Bass Guitar
• - 﨑山龍男 - Drums

春夏ロケット

• - 草野マサムネ - Vocals
• - 三輪テツヤ - Guitars
• - 田村明浩 - Bass Guitar
• - 﨑山龍男 - Drums

カバー

「ホタル」は、2015年にnano.RIPEによってカバーされ、アルバム『七色眼鏡のヒミツ』に収録されています。

その他

「ホタル」は、2000年10月にABCテレビのオープニングにも使用されました。

このシングルは、スピッツの音楽性の幅を広げ、新たなファンを獲得するきっかけとなりました。バンドの歴史において重要な作品の一つとして、現在も多くの人々に愛されています。

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