ホタルック

ホタルック：停電時にも安心の残光性蛍光灯

ホタルックは、かつてNECライティング（現・ホタルクス）がNECブランドで販売していた蛍光灯です。最大の特徴は、その残光性。従来の蛍光灯とは異なり、消灯後も数分間、淡いブルーグリーンの光が持続します。この残光は、停電時や災害時に役立ち、周囲を薄暗く照らすことで安全性を高めます。ただし、消防法で定められた非常灯の代わりとしては使用できませんのでご注意ください。

商品名の由来は、消灯後のこの幻想的な光、まるで蛍がぼんやりと光るような様子からきています。そして、この「ホタルック」という名前は、後にNECライティングから社名を引き継いだ現在の会社名「ホタルクス」にも繋がっているのです。

多様なラインナップと展開

ホタルックシリーズは、直管型の蛍光灯の他に、電球型蛍光灯である「ホタルックボール」も存在しました。 さらに、残光時間がより長く持続する「ホタルックα」や、万が一の破損時にもガラスの飛散を防ぐ飛散防止加工が施された製品など、ユーザーのニーズに応じたバリエーションが用意されていました。ただし、ホタルックボールは2012年3月末で生産・販売を終了しています。

また、ホタルックは広く普及しており、上新電機からは阪神タイガースのロゴが入ったOEM製品が販売されていた時期もあります。コジマ電機からもOEM製品が提供されるなど、様々な小売店を通じて購入可能でした。

親しみやすいイメージキャラクター「ほのかちゃん」も存在し、4歳という設定とともに家族構成まで設定されるなど、親近感の持てるブランドイメージ作りに力を入れていました。

製造はパナソニック ライティングデバイスへ委託されており、蛍光灯の種類を示す記号にはパナソニック製であることを示す「ME」が刻印されています。そのため、NECブランドでありながらパナソニックショップの一部でも販売されていたという面白い状況が見られました。これは、NECとパナソニックの間で蛍光灯の生産委託が行われていたという業界事情によるものです。実際、NECもパナソニックから蛍光灯の生産を受託しており、「パルック」ブランドでありながらNEC製であることを示す「N（▲▼）」マークが付いた製品も存在しました。

LED時代への進化：ホタルック機能

近年では、NECブランドで販売されている「LIFELED'S」LEDシーリングライトに「ホタルック機能」を搭載した機種が登場しています。しかし、この機能は残光性蛍光体を使用していません。代わりに、照明を点灯している間に蓄電されたエネルギーを放出することで、消灯時や急な停電時に淡いブルーグリーンの光を点灯させる仕組みです。この機能は、停電時の安心感を提供する上で、従来のホタルック蛍光灯と同様の役割を果たしています。

ホタルックは、その独自の技術と親しみやすいブランドイメージによって、長年に渡り人々の生活に寄り添ってきた製品です。停電時にも安心できる光を提供するその存在は、現代においても重要な役割を果たしていると言えるでしょう。

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