ホットケーキ (アルバム)

アルバム『ホットケーキ』について

『ホットケーキ』（原題：Hotcakes）は、アメリカのシンガーソングライター、カーリー・サイモンが1974年に発表した4作目のスタジオ・アルバムです。本作は、サイモンの音楽キャリアにおいて重要な位置を占めており、彼女の個人的な生活や感情が色濃く反映された作品となっています。

背景

このアルバムのハイライトとも言える曲「愛のモッキンバード」は、1963年にアイネズ&チャーリー・フォックスによってヒットした楽曲のカバーです。このバージョンでは、当時サイモンの夫であったジェームス・テイラーが歌詞を改作し、共にボーカルを担当しました。そのレコーディングには、ザ・バンドのロビー・ロバートソンがリードギターを担当し、さらにマイケル・ブレッカーがテナー・サックスのソロを披露、ドクター・ジョンがピアノとオルガンで参加するなど、多彩なミュージシャンが絡んでいます。また、前作に続き、クラウス・フォアマンが多くの曲でベースを演奏しました。

アルバムのジャケット写真の撮影時には、サイモンは将来ミュージシャンとして活躍する長女サリー・テイラーを妊娠しており、その心情も楽曲に影響を与えたと思われます。

反響・評価

『ホットケーキ』は、アメリカのBillboard 200において3位に達し、前作『ノー・シークレッツ』に続くトップ5入りを果たしました。RIAAによってゴールドディスクに認定され、全英アルバムチャートでも9週にわたってチャートを維持し、最高19位に達しました。

本作からは「愛のモッキンバード」が全米で5位、全英で34位を記録し、「悲しむ時はなく」は全米14位のヒットを記録しました। 音楽評論家のウィリアム・ルールマンは、オールミュージックで本作に5点満点中4点を付け、「当時のサイモンが家庭内で得た無上の喜びが明かされた、自伝的なコンセプト・アルバム」と評しています。

収録曲

以下は、アルバム『ホットケーキ』の収録曲リストです。特記がない楽曲は、すべてカーリー・サイモンが作詞・作曲を手掛けています。

サイド 1

1. 二人でいつまでも - "Safe and Sound" (Carly Simon, Jacob Brackman)
2. 我が心の人 - "Mind on My Man"
3. 初めてのベイビー - "Think I'm Gonna Have a Baby"
4. オールダー・シスター - "Older Sister"
5. ジャスト・ノット・トゥルー - "Just Not True"
6. ホットケーキ - "Hotcakes"

サイド 2

1. ミスフィット - "Misfit"
2. フォーエヴァー・マイ・ラヴ - "Forever My Love" (C. Simon, James Taylor)
3. 愛のモッキンバード - "Mockingbird" (Inez Foxx, Charlie Foxx/ additional lyrics by J. Taylor)
4. グロウンアップ - "Grownup"
5. 悲しむ時はなく - "Haven't Got Time for the Pain" (C. Simon, J. Brackman)

参加ミュージシャン

本作には多くの才能あるミュージシャンが参加しています。カーリー・サイモンはボーカル、ピアノ、アコースティック・ギターを担当し、ジェームス・テイラーはボーカルやアコースティック・ギターで貢献しています。その他にも、デヴィッド・スピノザ、ドクター・ジョン、クラウス・フォアマン、リック・マロッタなど、各分野で名の知られるアーティストが軒を連ねています。

このように、カーリー・サイモンの『ホットケーキ』は、彼女の音楽的成長を示す重要なアルバムであり、同時にその時期の個人的な出来事や感情が豊かに描かれています。

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