ホビット 決戦のゆくえ

『ホビット 決戦のゆくえ』

概要

『ホビット 決戦のゆくえ』（原題：The Hobbit: The Battle of the Five Armies）は、2014年に公開されたエピック・ファンタジー映画で、ピーター・ジャクソンが監督を務め、ジャクソンとともにフラン・ウォルシュ、フィリッパ・ボウエン、ギレルモ・デル・トロが脚本を担当しています。この作品は、J・R・R・トールキンの小説『ホビットの冒険』を基にした『ホビット』三部作の第三弾であり、物語の完結編となっています。特に、本作はイアン・ホルムにとって最後の出演作品でもあります。また、地上波放送版に未公開シーンを追加した『エクステンデッド・エディション』（EE）が2015年11月25日に発売されています。

あらすじ

物語は、燃え盛る港町エスガロスから始まります。見事に邪竜スマウグを討伐したバルドは、家を失った町の人々を助け、エレボールへと避難することとなります。しかし、ドワーフの王子トーリンは「竜の病」に侵され、財宝の魅力に捕らえられてしまいます。彼は宮殿を閉鎖し、誰も入ることを許さない状態に。しかし、ホビットのビルボはトーリンの変貌に困惑し、彼が手に入れた秘宝「アーケン石」を彼に渡すことができずにいます。

一方、ダークパワーに捕らえられたガンダルフは、ガラドリエルやサルマン、エルロンドの助けにより逃脱し、エレボールを目指すオーク軍の接近を警告するために駆けつけます。エレボールでは、バルドやエルフの王スランドゥイルがトーリンに協議を申し出ますが、トーリンはそれを拒否し、両軍は緊張した状態にあります。

この時、突如としてアゾク率いるオーク軍が現れ、戦は一気に混乱の渦に巻き込まれます。バルドやスランドゥイルの軍は、圧倒的な敵に対抗するため、共に手を結び戦う決意を固めます。しかし、欲にまみれたトーリンは仲間たちから見放されつつあり、その状況に焦りを感じ始めます。

トーリンは様々な葛藤を経て最終的に財宝の呪縛から解放され、自身の過ちを認識します。「信じてくれとは言わぬ……もう一度だけついて来てくれぬか？」という言葉を仲間たちにかけ、彼は王子としての義務を果たすために戦いに赴きます。

城に追い詰められたドワーフ軍は、トーリンの指揮の元、全力で闇の軍勢に立ち向かいます。最終的には、壮絶な戦闘の末、トーリンはアゾクとの一騎討ちで命を落としますが、彼の最後の言葉はビルボへの感謝と謝罪でした。悲劇的な結末の後、スランドゥイルやレゴラスは過去を省み、エルフ軍を率いて帰還します。そして、ダインが新たなドワーフ王として即位し、ビルボはガンダルフと共にホビット庄に帰ることになります。

登場人物

ビルボ・バギンズ - マーティン・フリーマン
トーリン・オーケンシールド - リチャード・アーミティッジ
ガンダルフ - イアン・マッケラン
スマウグ - ベネディクト・カンバーバッチ
* その他、多くのキャストが豪華に揃っています。

製作背景

本作は、一時は二部作の構想でしたが、当初の計画から変更され三部作となりました。ジャクソンは、3作目では戦の様子や中つ国の物語を描くことを明らかにしていました。タイトルも変更され、最終的には『The Battle of the Five Armies』と定められました。

音楽と評価

映画音楽はハワード・ショアが作曲し、ビリー・ボイドがエンドクレジット曲を担当しました。本作は多くの映画賞にノミネートされ、受賞も果たしています。 映画の公開はイギリス、北アメリカ、オーストラリアと順次行われ、多くのファンに支持されました。

おわりに

『ホビット 決戦のゆくえ』は、壮大な物語の完結を飾り、登場人物たちの成長や葛藤を描いています。ファンタジー作品としての魅力はもちろん、友情や自己犠牲のテーマも強く感じられる作品です。

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