ベネディクト・カンバーバッチ

ベネディクト・カンバーバッチの生い立ちとキャリア

ベネディクト・カンバーバッチ（Benedict Cumberbatch）は、1976年7月19日生まれのイギリスの俳優で、ロンドンのハマースミスにて誕生しました。彼はイングランド王リチャード3世の血を引くことでも知られています。カンバーバッチは父ティモシー・カールトンと母ワンダ・ヴェンサムの間に生まれました。父方の祖父は、第一次および第二次世界大戦に従軍した海軍軍人で、ロンドンの社交界で名の知られた人物でした。また彼の一家は、過去にバルバドスで農園を経営し、奴隷制度廃止後にイギリスへ戻ったという複雑な歴史を持っています。レスター大学の研究により、カンバーバッチがリチャード3世の血縁であることが明らかになり、彼は舞台版『ホロウ・クラウン/嘆きの王冠』でこの役を演じることに。リチャード3世の遺骨が埋葬された際には、彼が詩を朗読する場面もありました。

彼はハーロー校という名門校で演劇を学び、大学の前にはチベットの僧院で英語を教えるという経験も持っています。マンチェスター大学で演劇を専攻し、卒業後はロンドン音楽芸術学院での学びを続けました。

演技キャリアの初期

カンバーバッチの俳優キャリアが始まったのは2001年で、オープン・エア・シアター、アルメイダ・シアター、英国立劇場などでの舞台出演が続きました。2005年の『ヘッダ・ガブラー』ではローレンス・オリヴィエ賞助演部門ノミネートを受け、さらに2010年から2011年にダニー・ボイルが手掛けた『Frankenstein』では主演し、これが彼の名声を高めるきっかけとなりました。特にシャーロック・ホームズ役を演じたBBCドラマ『SHERLOCK』は、彼を国際的なスターに押し上げる要因となりました。

映画業界での活躍

映画界でも成功を収め、2004年の『ホーキング』で主演を務め、モンテカルロ・テレビ祭で主演男優賞を受賞。続いて『アメイジング・グレイス』ではウィリアム・ピットを演じ、 『ブーリン家の姉妹』や『つぐない』など多くの映画に出演しました。スティーヴン・スピルバーグが監督する『戦火の馬』にも出演し、その後の『ホビット』ではドラゴン・スマウグの声を担当、モーションキャプチャも行いました。

特に『スター・トレック イントゥ・ダークネス』ではカーン・ノニエン・シンを演じ、この役で「世紀の悪役」として評価を受ける一方で、ホワイトウォッシングへの批判も受けました。2013年の『フィフス・エステート/世界から狙われた男』ではウィキリークスの創設者ジュリアン・アサンジを演じましたが、興行成績は振るわず。

受賞歴と社会的活動

2014年、映画『イミテーション・ゲーム』は米『タイム』誌が選ぶ「演技トップ10」で第1位に選ばれました。さらに、2015年には大英帝国勲章コマンダーを受賞し、同年には一家に第1子が誕生しています。カンバーバッチはまた、ハリウッドにおける男女賃金格差問題にも取り組み、女性共演者に平等な出演料が支払われる作品のみに出演する考えを示しています。

プライベート

カンバーバッチは、女優で舞台演出家のソフィー・ハンターと婚約し、彼女との間に二人の男児をもうけています。リチャード3世の再埋葬儀に参加した際は、彼の遠縁として詩を朗読し、注目を浴びました。

このように、ベネディクト・カンバーバッチは賢明な役者としての姿勢だけでなく、社会問題への意識やプライベートライフでも注目されています。

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