ホマロケファレ

ホマロケファレ

ホマロケファレ (Homalocephale) は、白亜紀後期（約8000万年前）のモンゴルに生息していた堅頭竜類に分類される恐竜の一属です。属名は古代ギリシャ語の「平らな」を意味する"homalos"と、「頭」を意味する"kephale"に由来します。

形態

全長は約1.8メートルで、草食性でした。最大の特徴は、その名の通り平坦な頭蓋骨です。他の堅頭竜類の成体に見られるドーム状の頭部とは異なり、楔形に近い形状をしています。しかし、頭蓋骨自体は非常に分厚くなっていました。このような平坦な頭部は、ドラコレックスやゴヨケファレなど、一部の堅頭竜類の幼体化石にも見られます。

骨盤の幅が広いことも特徴の一つです。この点については、出産のため、あるいは脇腹への頭突き攻撃から内臓を保護するためなど、様々な仮説が提唱されています。また、後脚が長く発達しており、敏捷に動き回ることができたと考えられています。

記載に用いられた化石標本は不完全でしたが、頭頂部に大きな開口部があること、前頭部に明瞭な縫合線があること、外側頭窓が低く長いこと、眼窩が大きく丸いことなどが確認されています。額の表面は粗く、鱗状骨の側面と後面には複数の突起がありました。これらの特徴から、当初は成体であると判断されました。

プレノケファレとの関係

しかし、後の研究によって、ホマロケファレはプレノケファレの幼体である可能性が指摘されています。Nick Longrichらの研究(2010)では、平坦な頭部を持つ化石はドーム状の頭部を持つ種の幼体であるという説が提唱され、Horner & Goodwin(2009)の研究でも支持されています。頭骨の縫合線が残存していることや、頭頂部が平坦であることなど、幼体的な特徴が数多く見られることが、この説の根拠となっています。

もしホマロケファレがプレノケファレの幼体であるならば、平坦な頭部を持つ幼体が成長するにつれてドーム状の頭部に変化するという、堅頭竜類の成長過程における頭部形態の変化を示す重要な証拠となります。今後のさらなる研究によって、ホマロケファレの分類上の位置づけや、堅頭竜類の成長戦略がより明らかになることが期待されます。

関連項目

恐竜の一覧
絶滅した動物一覧
パキケファロサウルス
ワンナノサウルス

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