ホルヘ・ウビコ

ホルヘ・ウビコ・イ・カスタニェーダについて

ホルヘ・ウビコ・イ・カスタニェーダ（1878年11月10日 - 1946年6月14日）は、グアテマラの著名な政治家であり軍人でした。彼は1931年から1944年まで大統領を務め、長い間続いた独裁政権の中心人物として知られています。ウビコの政権下では、対外債務の大幅な削減などいくつかの経済的業績が見られる一方、強権的な統治や暴力的な手段が多く取られました。特に彼は、ベニート・ムッソリーニに対して深い尊敬を示し、ファシズムを支持する立場にありました。

生い立ちと初期のキャリア

ウビコは自由党支持者の家庭に生まれ、軍人としての道を歩み始めました。1921年にはホセ・マリア・オレジャーナ政権の下で警察庁長官および軍事相に就任し、その後進歩党を結成しました。彼は1931年の大統領選挙において唯一の候補者として立候補し、議会の承認を経て大統領に就任しました。

強権政治の展開

ウビコが大統領に就任すると、経済危機からの脱却を目指し、強硬な政策を実施しました。公務員の給料を4割削減し、大規模な解雇を行うなどの極端な財政引き締め策を採用しました。この結果、彼は大恐慌からの経済再建に成功しますが、その手法は暴力的かつ権威主義的でした。反対派に対しては、大統領直属の「国家警察軍」を創設し、銃撃や弾圧を行いました。特に1933年には、反ウビコの共産党に属する100名を銃殺するという冷酷さを見せました。

国際関係と戦争への道

1939年、第二次世界大戦が勃発するとウビコは迅速に参戦を決定しました。彼はファシストとしての立場を持ちながらも、枢軸国側としての立場を表明し、一貫してムッソリーニを尊敬していました。また、彼はドイツ人の入植者を弾圧し、彼らの農園を没収しました。これにより、彼の政権は富裕層や中間層、そして貧困層を問わず、グアテマラ国民からの広範な不満の的となりました。

政権の終焉

ウビコの治世は、国民の不満が高まる中、1944年に変化を迎えます。特に学生の研究会が動き、その後、さまざまな層からの支持を得た反ウビコ運動が広がりました。有効な反撃を行えなかった政府は抗議に圧倒され、全国的なデモやゼネストが発生しました。1944年6月29日には抗議のデモが頂点に達し、翌日にはアメリカからウビコの行動に対する厳しい批判が寄せられました。これにより彼は最大の後ろ盾を失い、7月には辞任を表明しました。その後、ウビコ派のフェデリコ・ポンセに政権を譲り、彼はニューオーリンズに亡命してその地で命を終えました。

ウビコの治世は、グアテマラにおける独裁と経済再建の複雑な歴史を体現しており、彼自身の評価は極めて分かれる结果を残しました。

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