ホロコースト (イギリスのバンド)

ホロコースト (Holocaust)

ホロコーストは、1977年にスコットランドのエディンバラで結成されたヘヴィメタルバンドです。ブラック・サバス、ジューダス・プリースト、モーターヘッド、AC/DC|AC_DCといった、ヘヴィメタルの礎を築いたバンドからの影響を色濃く受け継いでいます。

バンドの歴史

バンドは1970年代後半から1980年代初頭にかけて、NWOBHM（New Wave of British Heavy Metal）のムーブメントの中で、スコットランドを代表するバンドの一つとして頭角を現しました。当時の主流であった商業的なニュー・ウェイヴとは一線を画し、パンク・ロックの持つ疾走感と初期メタルの荒々しさを融合させた音楽性は、多くのファンを魅了しました。

初期のラインナップは、ジョン・モーティマー（ギター/ボーカル）、エド・ダドリー（ギター）、ゲイリー・レティス（ボーカル）、ロビン・ベッグ（ベース）、ニック・ブロッキー（ドラム）でした。その後、メンバーチェンジを経て、1983年にはギタリストのエド・ダドリーが脱退し、ホログラム (Hologram)というバンド名でアルバムをリリースしています。

現在のラインナップは、ジョン・モーティマー（ギター/ボーカル）、スコット・ウォレス（ドラム）、マーク・マクグラス（ベース）の3人編成で、2003年以降変わっていません。

音楽性と影響

ジョン・モーティマーが中心となって、プログレッシブ・メタル、スラッシュメタル、ポスト・パンクなど、様々な音楽的要素を積極的に取り入れています。その結果、『The Sound of Souls』やコンセプト・アルバム『聖約』といった、複雑で奥深い作品が生み出されました。

代表曲「The Small Hours」

ホロコーストの楽曲の中で最も有名なのは、「The Small Hours」でしょう。メタリカが1987年にリリースしたカバー・アルバム『メタル・ガレージ』でこの曲をカバーし、1998年のコンピレーション・アルバム『ガレージ・インク』にも再収録されたことで、世界的な知名度を獲得しました。

ディスコグラフィー

スタジオ・アルバム

The Nightcomers (1981年)
Steal the Stars (1983年) ※ホログラム (Hologram)名義
No Man's Land (1984年)
The Sound of Souls (1989年)
Hypnosis of Birds (1992年)
スピリッツ・フライ - Spirits Fly (1996年)
聖約 - Covenant (1997年)
The Courage to Be (2000年)
Primal (2003年)
Predator (2015年)
Elder Gods (2019年)

ライブ・アルバム

Live (Hot Curry & Wine) (1983年)

EP、シングル

"Heavy Metal Mania" (1980年) ※7インチ
Heavy Metal Mania (1980年) ※12インチ
"Smokin' Valves" (1980年) ※7インチ
Smokin' Valves (1980年) ※12インチ
Live from the Raw Loud 'n' Live Tour (1981年) ※7インチ
Comin' Through (1982年) ※12インチ
Heavy Metal Mania '93 (1993年) ※CD
Expander (2013年) ※CD

コンピレーション・アルバム

NWOBHM '79 Revisited (1990年) ※オムニバス。「Death or Glory」収録
ベスト・オブ・ホロコースト〜スモーキン・ヴァルヴズ - Smokin' Valves: The Anthology (2003年)

映像作品

Live from the Raw Loud 'n' Live Tour (1981年) ※2004年にDVD化

カバー・バージョン

メタリカが「The Small Hours」をカバー
ガンマ・レイが「Heavy Metal Mania」をカバー
シックス・フィート・アンダーが「Death or Glory」をカバー

ホロコーストは、その音楽性と影響力によって、ヘヴィメタル史に確かな足跡を残したバンドと言えるでしょう。

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