ホワイトストーンヒルの戦い

ホワイトストーンヒルの戦い：1863年、ダコタ準州での激戦

1863年9月3日から5日にかけて、アメリカ合衆国ダコタ準州で繰り広げられたホワイトストーンヒルの戦いは、対スー族戦争の終盤における重要な戦闘でした。アルフレッド・サリー准将率いるアメリカ陸軍部隊は、ヤンクトナイ族、サンティ族、テトン・スー族などを含むインディアンの集落を攻撃し、多くの犠牲者を出しました。

戦闘の背景

1862年のダコタ戦争で敗北したサンティ・スー族は、報復を恐れて約4,000人がミネソタ州からダコタ準州へ逃れ、他のスー族と合流しました。スー族戦士たちはその後もミネソタ州で小規模な襲撃を続け、アメリカ軍は1863年半ばにダコタ準州東部で大規模な軍事遠征を開始しました。この遠征は、1862年の戦争再発を防ぎ、白人入植を促進し、モンタナの金鉱地帯へのルートを確保することを目的としていました。

遠征は二手に分かれ、ヘンリー・ヘイスティングス・シブリー准将が率いる部隊は陸路でミズーリ川まで進軍し、7月に3つの戦闘を繰り広げました。一方、アルフレッド・サリー准将の部隊は1,200名を率いてミズーリ川を遡上し、シブリー隊と合流する予定でしたが、川の水位低下により遅延しました。

サリー隊は、アイオワ第6騎兵隊、ネブラスカ第2騎兵隊などから構成され、長射程ライフル銃で武装していました。一方、スー族の多くはマスケット銃や弓矢しか持っておらず、アメリカ軍が有利な状況でした。シブリー隊にミズーリ川西岸に追いやられたスー族の一部は、バッファローを狩るために東岸に戻ってきており、サリーは南東方面で彼らを捜索しました。

9月3日、サリーは殺されたばかりのバッファローの残骸を発見し、その日の午後には、斥候から約16キロ先に400戸の村があるという報告を受けました。サリーは、インディアンの宿営地を包囲し、逃げられないようにする命令を出し、主力部隊を率いて急行しました。

戦闘の勃発

インディアンの宿営地は、ヤンクトナイ族を中心とし、サンティ族、ハンクパパ族、シハサパ族などを含んでいました。宿営地の規模は400戸、2,000〜4,000人と推定され、そのうち成人男性は500〜1,000人ほどと見られていました。アメリカ軍が宿営地に接近した際、スー族の代表が白旗を掲げて和平を申し出ましたが、アメリカ軍は無条件降伏を要求しました。

サリー隊は、インディアンが逃亡しようとしていると判断し、部隊を配置して包囲を試みました。しかし、その過程でインディアンの反撃を受け、騎兵突撃が失敗に終わるなど混乱が生じました。

戦闘は夜間まで続き、双方に犠牲者が出ました。翌朝、インディアンの宿営地は空になっており、サリー隊は残された物資を焼却しました。9月5日には、サリー隊の偵察部隊がスー族と遭遇し、6名が殺害されました。

戦闘の結果と影響

ホワイトストーンヒルの戦いにおけるサリー隊の損失は、戦死22名、負傷38名でした。スー族側の損失は正確には不明ですが、100名から300名と推定されています。また、156名のスー族が捕虜となりました。この戦闘は、スー族にとっては「虐殺」として語られることもあります。サリーは「インディアンに対して長く心配を表明しており、非の打ち所がない名誉と高潔の記録がある」としていた。歴史家の中には、アメリカ陸軍が少なからぬ損失を出しており、虐殺ではなく戦闘だったという意見の者がいる。

サリー隊は物資不足のために追撃を断念し、ピエール砦へ撤退しました。この戦いはスー族に大きな打撃を与えたものの、ダコタ東部でのインディアンの脅威を終わらせることはできませんでした。戦闘後、サンティ族を中心とした約600人がカナダに逃れ、その後さらに3,000人が続きました。

ミネソタ州は、1862年のダコタ戦争に参加しなかった者を含め、全てのスー族を追放しました。その結果、友好的なウィネベーゴ族まで追い出され、白人の絶対的友人であるサンティ族25人のみが州内に住むことを許されました。

ホワイトストーンヒル州立歴史史跡

ノースダコタ州歴史協会は、戦場跡の一部を「ホワイトストーンヒル州立歴史史跡」として保護しています。この史跡には、戦闘に関する小さな博物館、2つの記念碑（一つはインディアンの犠牲者を、もう一つは戦死した兵士を記念）、ピクニック場が設置されています。この史跡は季節によって公開されています。

戦闘に関わったアメリカ陸軍

ダコタ地区軍: アルフレッド・サリー准将
アイオワ第6騎兵隊: デイビッド・S・ウィルソン大佐
* ネブラスカ第2騎兵隊: ロバート・W・ファーナス大佐


ホワイトストーンヒルの戦いは、アメリカ先住民との長く続く紛争の一部であり、その後の歴史に大きな影響を与えました。

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