ホワッツ・ニュー (笠井紀美子のアルバム)

笠井紀美子の『ホワッツ・ニュー』

『ホワッツ・ニュー』は、1973年にリリースされた日本の女性ジャズシンガー、笠井紀美子のアルバムです。この作品は、彼女が移籍したCBS・ソニーからのリリースであり、笠井にとっては『サテン・ドール』に続く二枚目のスタジオアルバムとなります。実に魅力的なこのアルバムは、愛の歌をテーマにしたスタンダード曲を収めており、日本のジャズシーンの重要な一部として位置付けられています。

このアルバムの特筆すべき点は、アメリカの著名なミュージシャンとの共演が多かった当時の笠井のスタイルとは一線を画し、 日本のジャズトリオである菊地雅洋トリオがバックを務めていることです。菊地雅洋トリオは、彼らの緻密な演奏技術と繊細な感性で知られており、笠井の歌声を引き立てる絶妙なサポートを提供しています。

アルバムのオリジナル盤LPでは、A面に6曲、B面に5曲が収録されており、心に残るメロディと豊かなハーモニーが特徴的です。また、女性ジャズシンガーとしての笠井の魅力が存分に発揮されています。彼女の声の持つ力強さと柔らかさが、これらのスタンダード曲に新たな解釈を与えているのです。

残念ながら、CDの時代に入ると長い間CD化されることはありませんでした。しかし、ファンの強い要望を受けて、2007年には「昭和ジャズlegend」シリーズの一環としてSACDハイブリッドで初めてデジタル化されました。さらに2009年には、ブルースペックCDとしてもリリースされ、これらはともに完全生産限定盤として注目を集めました。これにより新たな世代のリスナーにも、笠井紀美子の魅力を伝える手段が与えられたことは大きな出来事でした。

曲目リスト

• - A面: 6曲
• - B面: 5曲

パーソネル

• - 笠井紀美子 — ボーカル
• - 菊地雅洋トリオ

- 菊地雅洋 — ピアノ
- 鈴木良雄 — ベース
- 村上寛 — ドラムス

音楽的な遺産として位置づけられている『ホワッツ・ニュー』は、単なるアルバム以上のものであり、日本のジャズの歴史に名を刻む作品なのです。このアルバムを通じて、笠井紀美子の歌声の魅力と、菊地雅洋トリオの卓越した演奏に触れることができるでしょう。彼女たちの音楽の中には、聴く人に深い感動を与える力があります。

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