鈴木良雄

鈴木良雄のプロフィール

鈴木良雄（すずき よしお）は、1946年3月21日に長野県木曽郡木曽福島町で生まれた日本のベーシストであり作曲家です。彼の音楽のルーツは、祖父が鈴木バイオリン製造の創業者である鈴木政吉に由来します。音楽一家に育った彼は、父親がバイオリン制作者、母親がピアノ教師、さらに叔父にはスズキ・メソードの創始者である鈴木鎮一がいるなど、早くから音楽の影響を受けて育ちました。

彼は杉並区立松溪中学校、東京都立杉並高等学校を経て、早稲田大学第二文学部に入学し、後に第一文学部を卒業。学生時代にはピアノやヴァイオリンを学ぶ中で、ギターにも触れました。大学ではモダンジャズ研究会に参加し、ピアニストとして活動を開始します。特にタモリや増尾好秋といった今をときめくアーティストたちと同期という点も、彼の経歴の特徴です。

卒業後はピアニストとしての道を歩みますが、ヤマハ音楽教室で渡辺貞夫に師事する中でベースに転向することになります。1967年から1973年にかけて、渡辺貞夫グループや菊地雅章グループでベーシストとしてのキャリアを開始。その後、1973年に渡米しニューヨークへ拠点を移し、スタン・ゲッツ・グループやアート・ブレイキー＆ジャズ・メッセンジャーズ、ビル・ハードマン＆ジュニア・クック・グループなど多彩なグループで活動します。

1980年代には自己のグループMATSURIを結成し、1992年にはNYでのオリジナル曲によるアルバム「THE MOMENT」をリリース。さらに1993年には「EAST BOUNCE」を結成し、精力的に活動しました。EAST BOUNCEはその後も大変人気を博し、特にニューヨークのFMラジオでは彼らの曲が頻繁にオンエアされました。2002年にはEAST BOUNCEを解散し、新たなグループBASS TALKを立ち上げ、2004年にはデビュー35周年を記念するコンサートを開催しています。

彼の音楽活動は国内外を問わず多岐にわたり、2006年にはJVC JAZZ FESTIVAL NYに出演したほか、2009年にはベーシストデビュー40周年を祝うCDをリリースしました。さらに、彼は2016年にジャズ入門書「人生が変わる55のジャズ入門」を出版し、多くの読者に影響を与えました。

鈴木は、これまで数々のリーダーアルバムを発表してきたほか、テレビや映画などのテーマソングも手掛けており、彼の音楽は非常に多様です。特に「そこが知りたい」のテーマソングは有名です。彼はまた、音楽界での地位を確立しながらも若い世代とのコラボレーションにも意欲的で、2015年には若者たちとのバンドGENERATION GAPを結成し、ファーストアルバムもリリースしています。

鈴木良雄は、「チンさん」という親しみのあるニックネームで広く知られ、日本ジャズ界においてリーダー的な存在として君臨しています。彼の音楽は、ジャズのフィーリングとクラシックの要素、そして日本人特有の感性が融合した独自のスタイルを持っています。2022年には新たなアルバム「Five Dance」がリリース予定であり、今後も彼の音楽的挑戦は続くことでしょう。

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