ホンダ・オルティア

オルティア（ORTHIA）

オルティアは、本田技研工業がかつて生産・販売していたステーションワゴン型の小型乗用車です。その設計は6代目シビック（EK型）のプラットフォームを基盤としており、特に荷室の拡大が特徴です。この車両は後ろのオーバーハングを約200mm延長し、ルーフレールやガラスハッチ、フォグランプ（2.0Lモデル）などを装備しています。また、初代CR-Vと共通のプラットフォームを使用している点も注目に値します。

エンジンと性能

オルティアには、主に2種類のエンジンが搭載されています。それは、B20B型とB18B型というモデルです。B20B型は水冷直列4気筒エンジンで、排気量は1,972cc、最高出力は150PSに達します。一方のB18B型は、排気量が1,834ccで、最高出力は140PSです。どちらのエンジンもDOHC（ダブルオーバーヘッドカムシャフト）設計であり、電子制御燃料噴射式（PGM-FI）を採用しています。

トランスミッションについては、2000ccエンジンに関しては発表当初は4速ATのみでしたが、後に5速MTが追加されました。1.8Lエンジンは4速ATと5速MTの選択肢があります。走行性能においては、オルティアはリアルタイム4WD（スタンバイ式）システムを採用しており、通常は前輪駆動ですが、必要に応じて後輪へ駆動力を伝達します。これは、日常的な運転を重視した仕様です。

モデルの進化と販売実績

オルティアの初代モデルは1996年2月21日に発表され、シビックシャトルの後継車として登場しました。最初は「2.0GX-S（4WD）」「2.0GX（FF/4WD）」「GX（1.8L FF）」というラインナップでした。発売から好調なスタートを切り、月産5,000台を達成したこともあります。

1997年にはマイナーチェンジを実施し、ABSとSRSエアバッグを標準装備するとともに新色も追加されました。1998年にはエアロパーツを備えたスポーティなモデルが登場し、1999年にはエンジンの出力が向上した新仕様が発表されました。最終的に、2002年1月に生産を終了し、その後の在庫対応分も含めて同年10月には販売が完了しました。累計新車登録台数は約93,830台に達しました。

車名の由来

「オルティア」という名称は、ギリシャ神話の「実りの女神」に由来しています。これは、車両が持つ日常生活への適合性をイメージさせるものです。

関連車種

オルティアには、商用モデルの「パートナー」というライトバンもありました。オルティアの生産終了後も、パートナーは2006年2月まで生産されました。その後、フィットの派生車であるエアウェイブがオルティアに代わるモデルとして登場し、ホンダのラインナップに新たな選択肢を提供しました。

本田技研工業は、オルティアを通じて、日常的な利便性や快適さを兼ね備えたコンパクトカーを提供し、市場のニーズに応えました。

もう一度検索