ホンダ・クロスロード

クロスロード（Crossroad）

クロスロードは、本田技研工業株式会社によって販売された日本産のスポーツ用多目的車（SUV）です。1993年から1996年までの初代モデルと、2007年から2010年までの2代目モデルがあり、両者は異なる特性を持っています。

概要

初代クロスロードは、ローバー・グループ・リミテッドとのOEM提携により、ランドローバー・ディスカバリーをベースにしたもので、1993年11月に日本市場に登場しました。RVブームに乗って販売が始まり、人気を博しました。2代目は自社開発の車両で、SUVとミニバンの融合を果たしたクロスオーバーSUVとなりました。

初代モデル（LJ / LJJ型）

初代クロスロードは、V型8気筒エンジンと4速自動変速機を搭載し、5人乗りの「V8i 3ドア」と7人乗りの「V8i 5ドア」の2種類で展開されました。1994年には一部改良が施され、新たに革張りの座席を持つ「V8i 5ドア ES」が加わりました。1996年には、仕様変更を伴った新モデルも発表され、その後の販売を支えました。

2代目モデル（RT1/2/3/4型）

2007年、初代モデルに続いて登場した2代目クロスロードは、ホンダの2代目ストリームをベースにしています。これにより、3列7人乗りの大きなボディを持ちつつも、3ナンバーのコンパクトなサイズ感が特徴でした。また、両エンジンタイプ（R18A型とR20A型）が用意され、ユーザーに選ばれる多様性を提供しました。

このモデルは、広い室内空間と高い車高を有し、多用途に対応できる能力を持っています。特に、1.8Lモデルの一部グレードには、無塗装のバンパーやフェンダーが装備され、アクティブな印象を際立たせていました。また、最下級グレード「18L」は、価格を抑えるために特異な装備を持ち、量販車種とは一線を画していました。

安全機能と特別仕様車

2代目クロスロードの4WDモデルには、VSA機能の拡張で坂道発進を助けるヒルスタートアシスト機能が備えられており、安全面でも配慮がなされていました。特別仕様車も複数ラインナップされ、HIDやHDDナビゲーションを搭載したモデルが登場し、ユーザーのニーズに応えていました。

販売の終息

2010年には販売不振を受けて生産が終了し、わずか3年8ヶ月という短い販売期間で姿を消しました。両モデルを通じて、その独自性と多機能性は評価されたものの、競争が熾烈な市場では一定の位置を確保することが難しかったようです。

車名の由来

「クロスロード」という名称は、英語で交差点や十字路を意味し、人々の多様な趣味や夢、可能性が広がる出発点というテーマを反映しています。このことは、ホンダが展開したキャッチコピー『クロスロードしよう』にも表れています。

関連項目

本田技研工業は、1990年代にいすゞ自動車とともに様々なSUVを展開していましたが、クロスロードもその一端を担い、特に日本国内でのRVブームに寄与したモデルの一つといえます。

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