ホンダ・グレイス

グレイス（GRACE）

グレイスは、本田技研工業が 日本市場向けに製造・販売していた小型の4ドアセダンです。このモデルは、日本の個人ユーザーと自動車教習所向けに展開されました。グレイスは「コンパクトセダンの刷新」をテーマにしており、優れた燃費性能と広い室内空間、洗練されたデザインを兼ね備えた5ナンバーサイズの車両です。

概要

本車種は、世界的な市場を意識した新興国向け小型セダンであるシティの日本仕様として位置付けられています。特に、ホンダが以前展開していたハイブリッドカー、2代目インサイトの生産終了により、空いた市場ポジションを埋める役割も担いました。グレイスは、2009年に販売を終了したフィットアリア以来、5年ぶりの日本市場向けセダンであり、ハイブリッドカーとしては9年ぶりのモデルの投入でもありました。

製造は埼玉県寄居町の工場で行われ、ハイブリッド専用モデルとして2014年12月に発売されました。その後、2015年には非ハイブリッドのガソリン車や教習用車両もラインナップに加わりました。

特徴とメカニズム

グレイスのハイブリッドモデルは、エコな走行性能を持つ「SPORT HYBRID i-DCD|SPORT_HYBRID_i-DCD」システムを採用しています。このシステムにより、JC08モードで燃費34.4km/Lという低燃費を実現。さらに、インテリジェントパワーユニット（IPU）をコンパクト化し、トランクルームの容量はFF車で430Lに達しています。

ガソリンモデルには1.5LのL15B型エンジンが搭載され、優れた出力とトルクを発揮しつつ、燃費性能も21.8km/Lと高い数値を記録しています。また、教習車向けには5速MTも選択可能で、利便性が高められています。さらに、5ナンバーサイズのハイブリッドセダンとして初めて4WDモデルも投入され、安定感のある走行が可能となりました。

年表：重要な出来事

• - 2013年11月26日：シティの6代目がインドで初公開。
• - 2014年10月31日：新型ハイブリッドセダンの発売が発表される。
• - 2014年12月1日：グレイスが日本市場に登場。
• - 2015年6月19日：ガソリン車のLXグレードが追加される。
• - 2015年7月16日：教習車が販売開始。
• - 2017年7月6日：安全運転支援システム「Honda SENSING」が搭載されたマイナーモデルチェンジ。
• - 2020年7月10日：個人向けモデルの生産終了が発表され、教習車の生産は継続。
• - 2021年7月31日：教習車の生産も終了し、グレイスの商標が消滅。

車名の由来

「グレイス」という名称は、英語の「上品」や「上質」という意味に由来しています。この車名は、ホンダが目指したコンパクトな使い勝手と高級感を表しています。

グレイスは、シンプルかつモダンなデザインを持ち、運転する楽しさと心地よさを提供するセダンとして、多くのユーザーに愛されました。しかし、2020年には市場の競争が激化し、主に教習車としての役割を残してその幕を閉じました。

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