ホンダ・グロム

ホンダグロム：小型バイクのベストセラー

ホンダグロムは、本田技研工業が製造・販売する、世界中で人気を博す小型二輪車です。愛らしいデザインと高い走行性能を両立させ、累計販売台数は75万台以上という輝かしい実績を誇ります。その人気は、レトロなデザインを特徴とするモンキー125など、他の小型バイクシリーズの開発にも大きな影響を与えています。

グロムの歴史と進化

グロムの歴史は、2013年に欧州でMSX125として世界初公開されたことに始まります。50年以上にわたって愛されてきたモンキーやダックスの伝統を受け継ぎ、コンパクトながらも力強いロードスターとして登場しました。タイで生産されたグローバルモデルとして、日本や北米では「GROM」という名で発売され、瞬く間に人気を拡大していきます。

初期モデル（第一世代）は、約3年間で30万台もの生産数を記録しました。その後、2016年には大幅な改良（第二世代）が施され、外観を一新。2017年には欧州の排出ガス規制EURO4に対応しました。

そして2020年、グロムは全面改良（第三世代）を受け、世界中でGROMという名称に統一されました。エンジンをはじめ、多くの部分が刷新され、最新のEURO5排出ガス規制にも対応。今後の環境規制にも対応できるよう、設計段階から配慮されています。この第三世代のエンジンは、今後登場する125ccクラスのグローバルモデルにも搭載予定とのことです。

グロムの技術と設計

グロムは、扱いやすさを重視した設計が特徴です。シンプルでコンパクトなスチール製モノバックボーンフレームを採用し、ホイールベースを短くすることで、初心者でも容易に操作できます。

エンジンは、Wave125iで実績のある125ccエンジンをベースに改良。クランク慣性マスを15%軽減し、優れた走行性能を実現しています。また、ホンダの125cc公道モデルとして初めて倒立フォークを採用。高い操縦性と快適な乗り心地を両立させています。

グロムの受賞歴

グロムは、その高い評価が各国の賞を受賞という結果に繋がりました。主な受賞歴としては、2013年度グッドデザイン賞、G2オブ・ザ・イヤー2013-2014大賞、2015年と2020年のタイランド・バイク・オブ・ザ・イヤー受賞、そして日本バイクオブザイヤー2021原付部門最優秀金賞などがあります。

グロムの開発

2016年に行われた大幅改良モデルは、タイのホンダR&Dサウスイーストアジアで開発されました。当初は、大型車を小型化したようなデザインでしたが、2021年の全面改良では開発拠点を日本に戻し、より「レジャー系」バイクらしいデザインに再定義されました。

各国におけるグロム

グロムは、タイ、日本、欧州、米国など、世界各地で販売され、それぞれ独自のモデル展開が行われています。タイでは、MSX125という名称で販売され、様々な限定モデルもリリースされました。日本でも、発売以来、継続的に改良を重ね、販売台数を伸ばし続けてきました。欧州や米国でも、排出ガス規制への対応やデザイン変更などを経て、高い人気を維持しています。

グロムレースベース車

ホンダ・レーシング（HRC）は、グロムをベースにしたレースベース車を開発し、「HRC GROM Cup」というワンメイクレースシリーズを開催しています。これは、グロムの高いポテンシャルを活かしたモータースポーツ展開の一例です。

まとめ

ホンダグロムは、優れたデザイン、高い走行性能、そしてグローバルな展開によって、世界中で愛される小型バイクのベストセラーとなりました。その成功は、今後の小型バイク開発にも大きな影響を与えることでしょう。今後も、進化を続けるグロムから目が離せません。

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