ホンダ・シビックシャトル

シビックシャトルとは

シビックシャトル（CIVIC SHUTTLE）は、本田技研工業が1983年から1996年にかけて生産・販売していたステーションワゴン型小型自動車です。この車両は、シビックシリーズの中でも特にユニークなボディスタイルを持ち、ユーザーの多様なニーズに応えるために設計されました。本記事では、シビックシャトル及びその商用モデルであるシビックプロ（CIVIC PRO）について詳述します。

概要

シビックシャトルは、3代目および4代目のシビックを基にした5ドアのステーションワゴンであり、シビックカントリーの実質的な後継車両です。搭載されるエンジンは1.3Lから1.6Lの範囲で、最初はFF（前輪駆動）のみでしたが、後に4WD（四輪駆動）も追加されました。この車両の特徴として、同クラスのライバル車種と比較して全高が約10cm高く、全長はワゴンタイプよりも約20cm短いということが挙げられます。これにより、シビックシャトルは「ショートワゴン」や「セミトールワゴン」の先駆けともなりました。また、当時のカタログには「新しいセダンです」との文言が記載されています。

シビックシャトルのサイズは、現在の3代目フィットにほぼ等しい大きさとなっており、多くのユーザーにとって利用しやすいコンパクトな設計がなされています。

初代 AJ/AK/AR型（1983 - 1987年）

1983年10月20日、シビックの5ドアモデルとして初めて市場に登場しました。車型を表す2桁の数字のうち、10の位は「5」となり、特別な地位を確立しました。初期モデルには「55J」と「55i」があり、それぞれがスポーツ指向または居住性を重視した設計がされています。特に「55i」にはデジタルメーターやサンルーフが選択可能であり、「55G」には様々なアドバンス機能が標準装備されていました。エンジンの選択肢としては、5速MTまたは3速ATがあり、外観も異形ヘッドランプなど多彩なデザインが採用されています。また、1984年には4WDモデルも追加され、車体の大型化がなされました。

1985年9月にはマイナーチェンジが行われ、グレードが整理され、トランスミッションが進化しました。1986年には「リアルタイム4WD」が導入され、さらに機能性が向上しています。

2代目 EF2/3/4/5型（1987 - 1996年）

1987年のモデルチェンジにより4代目シビックと共に登場しました。このモデルは、同じシャシーを使用し、サスペンションにも4輪ダブルウィッシュボーン式が採用されています。また、高性能な「ハイパー16バルブエンジン」と電子燃料噴射システムも搭載され、運転性能が向上しました。1988年には、小変更を経てさらに便利な機能が追加され、1994年にはRV的な装備を持つ「ビーグル」という特別版が発売されました。

1996年まで生産が継続され、シビックシャトルは多くのユーザーに受け入れられる存在となりました。最終的には、6代目シビックへとその役割を引き継ぎ、販売が終了しました。

現在のシビックシャトル

シャトルの名称は2011年に発売されたフィットシャトルで復活し、移行を経て現在のシャトル、すなわちフィットシャトルの後継車としてその名が引き継がれています。これは過去のモデルのDNAを受け継ぎつつ、新たな魅力を持った車両として、次世代のユーザーへアプローチしています。

結論

シビックシャトルは、その独特なデザインと多機能性で多くの支持を集めた車両であり、ホンダの歴史の中で重要な一翼を担った存在です。このモデルの魅力は今もなお、多くの自動車ファンに語り継がれています。

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