トールワゴン

トールワゴンの定義と特徴

トールワゴンとは、主に4人または5人乗りの1.5ボックスタイプのミニバンを指します。これは、3列シートを持たない車両で、一般的にはハッチバック車の一種に分類されることが多いです。特に日本ではトールボーイ、ハイトワゴン、背高ワゴン、さらには小型のものを「プチバン」と呼ぶこともあります。

車両の特徴

トールワゴンは、車高が1,550mmを超え、機械式駐車場には入れない場合が多いですが、それでもハッチバックと同程度の床面積を保ちながら、より広い室内空間を提供します。こうした特性から、トールワゴンは日常の使用に便利で、家族向けの車両としても重宝されています。

歴史的背景

日本においては、1972年にホンダ・ライフステップバンが全高1,620mmという異例のスタイルで市場に登場しました。しかし、ホンダが軽乗用車製造から撤退したため、わずか2年で販売が終了しました。その後、1981年にホンダ・シティが登場し、背高スタイルさを実現したことで、車内の広さを大きく改善しました。1982年には、さらに高い「マンハッタンルーフ」が追加され、1,570mmに達しました。

1980年代にはトヨタ・スプリンターカリブや日産・プレーリーの2列シートモデルも見られましたが、真のトールワゴンとしては1991年に発売された三菱・RVRが先駆けとされています。

軽自動車とトールワゴン

軽自動車カテゴリーでは、1990年に登場した三菱・ミニカトッポが初期のモデルとされています。そして、1993年にスズキ・ワゴンRが市場に登場し、その独自のパッケージングが大ヒットを記録しました。この成功に続いてダイハツ・ムーヴも登場し、軽自動車市場の主要なプレイヤーとなりました。この人気はその後、コンパクトカークラスにまで波及し、マツダ・デミオや日産・キューブなど、数多くのモデルが続々と登場しました。

トールワゴンの新たなスタイル

スライドドアを搭載したトールワゴンは「プチバン」としても知られています。1997年に登場したトヨタ・ラウムがその代表モデルで、乗り降りのしやすさや取り回しの良さから特に若年層のファミリーに人気があります。

代表的なトールワゴンモデル

2023年時点で現行のトールワゴンとしては、以下のモデルがあります。

• - トヨタ: JPN TAXI、シエンタ、ルーミー
• - ホンダ: フリード
• - スバル: ジャスティ
• - スズキ: ソリオ
• - ダイハツ: トール、ブーン
• - 三菱: デリカD:2、コルトプラス

また、日本車以外では、メルセデス・ベンツのBクラスやクライスラーのPTクルーザー、ルノーのカングーなどもトールワゴンの範疇に含まれます。

結論

トールワゴンは、大人4人から5人乗りのコンパクトなボディで、広い室内空間を提供するユーティリティ性の高い車両です。このスタイルは特にファミリーや日常の利用に適しており、多くの車両メーカーによっても支持されている人気の形状と言えるでしょう。

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