ホンダ・デュアルノート

デュアルノート（DUALNOTE）

デュアルノートは、本田技研工業が2001年の東京モーターショーでお披露目したコンセプトカーであり、そのデザインと技術は革新性を表現しています。この車両は「柔と剛、回頭性と直進性、パワーと低燃費」といった、相反する特性の融合を目指して開発されました。

デザインとスタイル

デュアルノートは4ドアクーペのスタイルを持ち、「デュアル」の概念に基づく柔軟かつ剛健なフォルムが特徴です。具体的なボディサイズは、全長4,390mm、全幅1,830mm、全高1,215mmであり、ホンダのスポーツカーNSXに比べてわずかに小型化されています。このコンセプトカーは、見る者に新しい美しさと力強さを印象づけるようなデザインを追求しています。

パワーユニット

デュアルノートのパワーユニットには、ホンダの独自のハイブリッドシステム「Honda IMAシステム」が採用されています。これにより、3.5リッターV6 DOHCエンジンとモーターが組み合わさり、ミッドシップに配置されています。前輪はモーターで駆動し、後輪はエンジンとモーターによるハイブリッドドループで動かされます。この構成により、400PSというパワーと、燃費18km/Lという高い効率性が実現されています。さらに、減速時には回生ブレーキ機能により電力を回収する仕組みが組み込まれています。

駆動性能

デュアルノートには、ATTS（アクティブ・トルク・トランスファー・システム）とVSA（車両挙動安定化制御システム）が搭載されています。これにより、前輪の駆動力を適切に配分し、車両が横滑りしないように調整されるため、高い運動性能が確保されます。この協調制御によって、安定した走行と快適な運転体験が提供されます。

インテリア

インテリアには、NTTとの共同開発による「ITインストゥルメントパネル」が装備されており、3D立体表示メーターやセンターディスプレイなど所要の情報を提供します。このディスプレイはナイトビジョンやナビゲーション情報を表示し、ドライバーの安全な運転を支援します。さらに、シートはすべてバケットタイプを採用し、ドライビングの楽しさを更に引き立てる仕立てとなっています。

展示と影響

その後、デュアルノートは2002年の北米国際オートショーにおいて、アキュラ・DN-Xという同モデルのコンセプトカーを展示しました。また、この車両は人気のテレビゲーム「グランツーリスモ」シリーズにも採用されており、印象的なデザインと性能から多くの人々に認識されています。特に「グランツーリスモPSP」、「グランツーリスモ5」、「グランツーリスモ6」にはアキュラ版のDN-Xも収録され、ゲームプレイヤーにとっても魅力的な存在となっています。

デュアルノートは、本田技研工業の革新と技術力を象徴するコンセプトカーとして、多くの関心を集めており、その影響は今もなお続いています。

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