ホンダ・バイト

ホンダ・バイト：個性的なシート高調整機能を備えた49ccスクーター

ホンダがかつて製造販売していた「バイト (Bite)」は、49ccエンジンを搭載した原動機付自転車に分類されるスクーターです。2001年の東京モーターショーで参考出品され、2002年1月31日に発売が開始されました。同社のエイプやズーマーに続く、Nプロジェクトの第3弾として注目を集めました。

バイト最大の特徴は、そのシート高の調整機能です。工具不要で730mmから840mmの間を、7段階にわたって調整できる仕組みになっていました。この機構を採用したことで、メットインスペースは搭載されていません。

搭載されたエンジンは、AF55E型水冷4ストロークSOHC単気筒エンジンです。このエンジンは、クレアスクーピーやスマートディオ、ズーマーなど他のホンダ製スクーターにも採用されていました。また、アルミ製フレームの前部やサスペンションなど、いくつかの部品はクレアスクーピーと共通化することで、製造コストの削減に繋がっていました。

発売当初のボディカラーは、サンライズイエロー、ブラック、リアルブルーの3色展開でした。しかし、2003年1月にはマイナーチェンジが行われ、ホイールカラーがシルバーからブラックに変更されました。また、シャッター一体式キーが採用され、利便性が向上しました。ボディカラーも変更され、クラシカルホワイトが追加された一方、リアルブルーは廃止されました。

個性的なデザインとシート高調整機能、そして扱いやすさで人気を博したバイトですが、2004年の秋に生産を終了しました。生産期間は短かったものの、ホンダのスクーターラインナップにおける個性的な存在として、現在でも多くのファンを魅了し続けています。その独特のスタイルと機能は、現在ではレトロな雰囲気すら感じさせ、中古市場でも根強い人気を誇っています。

スペック概要 (参考):

エンジン：AF55E型 水冷4ストロークSOHC単気筒
排気量：49cc
シート高：730mm - 840mm (7段階調整)
メットインスペース：なし

主な特徴:

工具不要の7段階シート高調整機能
スタイリッシュなデザイン
* 他のホンダ車種との部品共通化によるコスト効率

生産終了から年月が経過していますが、その独特の個性と魅力から、ホンダのスクーター史において重要なモデルの一つとして記憶されています。独特のシート高調整機構は、ライダーの体型や好みに合わせた最適なポジションを提供し、快適な走行を可能にしました。 生産終了後も、その希少性から中古車市場での人気は高く、多くの愛好家によって大切に維持、運転されています。バイトは、ホンダの技術力とデザインセンスが凝縮された、個性的なスクーターとして、高く評価されています。

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