ホンダ・ブリオ

ホンダ・ブリオ (BRIO)

ブリオは、本田技研工業が新興市場向けに設計した5ドアハッチバックの小型車であり、特にアジアの国々での需要を意識して生産されています。このモデルは、初代が2011年にタイとインドに登場し、その後は他の地域への展開も視野に入れています。特に注目すべきは、現地生産の特性を生かし、調達部品の80％以上が現地から供給されている点です。このアプローチにより、地元経済に貢献しながら、コストの削減も実現しています。

初代モデル (2011年 - 2020年)

ブリオの初代モデルは、タイのバンコクでプロトモデルが公開された2010年11月を皮切りに、2011年5月にはタイ、9月にはインドで正式に販売が開始されました。当初は2011年3月に販売が発表され、受注も行われましたが、東日本大震災の影響で納入が遅れる事態が発生。そのため、受注は一時中断され、その後無事部品供給の目処が立ったことで再開されました。

このハッチバックモデルは、次世代フィットをベースにしつつも、サイズが若干小型化されており、タイ市場向けにはL12B型1.2リットルi-VTECエンジンが搭載。燃費性能はタイ政府のエコカー基準に適合した20 km/L以上を実現し、Euro4の排出ガス規制にも対応しています。さらに、運転席と助手席にエアバッグが標準装備されながらも、39万9,900バーツという手頃な価格設定がなされており、初年度の販売計画は4万台に達しています。

その後、2012年8月にはインドネシアで1.3リットルエンジンのバリエーションが展開され、2011年9月にはインドでも販売が開始されました。価格は69万5,000ルピーからと、こちらも非常に競争力のある設定です。また、2012年11月にはハッチバック版をベースとした4ドアセダン「ブリオ アメイズ」がタイ市場に登場しました。

2代目モデル (2018年 - )

2代目ブリオは2018年に発表され、インドネシア国際モーターショーでのプロトタイプ公開を経て、同年10月から販売が開始されました。このモデルは開発コストを削減するため、初代の前半部を引き継ぎつつも、後半部は新たに設計されています。そのため、全長は205mm、ホイールベースは60mm延長され、後席の居住空間や荷物の積載スペースが改善されました。

エンジンは初代モデルから1.2リットルi-VTECエンジンが引き続き使用され、グレードによって特別なCIエンブレムが装着されています。このモデルはインドネシア以外にも、2019年にはベトナム市場向けに輸入される形で販売が開始されています。また、2021年にはRSグレードを基にした「アーバナイトエディション」が登場し、2022年にはアップデートも実施されています。

車名の由来

「ブリオ」という名称は、イタリア語の「brio」に由来しており、これは「元気」や「陽気」という意味を持っています。このように、ブリオはただの移動手段ではなく、運転する楽しさや明るさをもたらす車であることを意識しています。

まとめ

本田技研工業が新興国市場向けに開発したブリオは、経済性に優れ、環境にも配慮した設計理念を持つモデルです。初代から続くその魅力とその後の展開から、今後も多くの市場での活躍が期待されます。

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