ホンダ・ラグレイト

ラグレイト (LAGREAT)

ラグレイトは、ホンダ・カナダが製造し、本田技研工業が販売した上級ミニバンです。かつて北米市場向けに開発されたオデッセイを、日本市場に特化して輸入したモデルで、その名も「LAGREAT」となっています。

概要

初代オデッセイは北米でも販売されていましたが、サイズが小さい、エンジンパワーが不足しているとの評価がありました。そのため、2代目モデル以降は現地で生産されることになり、ボディサイズやエンジンの排気量も大幅に拡大されました。これにより、北米市場では大成功を収めることができました。

対照的に、日本国内では全長5メートルを超える大きな車両に対する税負担や、消費者のニーズとのミスマッチが影響し、販売が伸び悩みました。しかし、大柄な体格と広々とした室内空間に魅力を感じ、何台も乗り換えを続けるファンも存在するほどの人気がありました。特に、日系メーカーの中で国内向けのフルサイズミニバンは長い間存在せず、2020年にトヨタ・グランエースが登場するまでこの地位を独占していました。

開発チーム

ラグレイトの全体の開発責任者には、初代オデッセイと同様に小田垣邦道が任命され、エンジン開発責任者には浅木泰昭、車体開発責任者には八郷隆弘が就任しました。搭載されたエンジンはJ35A型であり、駆動方式はFFのみの設定でした。

特筆すべき点は、両側電動スライドドアの搭載が世界初であることです。この機能は、多くのユーザーにとって使い勝手を大きく向上させました。

モデルの歴史

ラグレイトは1998年の北米国際オートショーで「MV-99」という名称で展示され、1999年6月には日本での販売が開始されました。初期モデルはGH-RL1という形式を持っていましたが、2000年には型式がLA-RL1に変更されます。

2001年には大幅なマイナーチェンジが行われ、エンジンの出力が205PSから240PSに向上し、トランスミッションも4速ATから5速ATへと改良されました。更にはヘッドランプのHID化やリアブレーキのディスク化、デザイン変更など、多数の改良が施されました。この時期は日本市場向けにも強化された内容となっています。

2003年には再度のマイナーチェンジがあり、安全機能としてイモビライザーが追加され、鍵の形状も変更されました。

ただし、生産は2004年4月に終了し、2005年12にその販売を終えました。

車名の由来

ラグレイトという名前は、「LA」が驚きや強調を意味し、「GREAT」が一流のもの、すばらしさを示すことから名づけられました。

まとめ

ラグレイトは、その独自の特徴と大きなボディで日本市場を魅了し、不遇な売上状況の中でも固定ファンを持つ特異な存在でした。ホンダの技術とデザインの融合が生み出したこのモデルは、今でもその魅力を失っていないと言えるでしょう。

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