ホンダ・A型エンジン

ホンダ・A型エンジンの概要

ホンダ・A型エンジンは、本田技研工業が設計・製造した中型車向けの直列4気筒ガソリンエンジンです。このエンジンは、先代のES型およびEY型を継承し、優れた性能と効率を兼ね備えています。特に、その独自の吸気・排気バルブレイアウトが特徴であり、吸気バルブが2つ、排気バルブが1つの配置となっています。この設計はエンジンの効率を高めることを目的としていますまた点火プラグは排気バルブの片側に位置しているため、点火性能も向上しています。

このエンジンは最後の鋳鉄製シリンダーブロックを採用したホンダ製の4輪用エンジンでもあり、その重厚感と耐久性が評価されています。燃料供給システムにはキャブレター（ダウンドラフト方式）考慮したものと電子制御によるPGM-FI方式の2種類が用意されています。キャブレター仕様は、特に2次エアシステムを搭載し、空燃比の精密制御を可能にしています。これに対し、PGM-FI仕様では各気筒にインジェクターを設けたマルチポイント式を採用し、可変吸気装置が追加されることもあります。

排気ガスの浄化においては、三元触媒と排気の二次エア供給システムを装備し、環境への配慮も行われています。エンジンの型式規則が変更され、これによりA型エンジンの識別が容易になりました。基本的にはアルファベット1文字で系列名が表され、その後に続く数字で排気量を示します。最後のアルファベットは改良が施された際に更新されます。

開発と歴史

ホンダ・A型エンジンは1985年に登場し、初めて採用されたのはアコードの第3世代及びビガーの第2世代でした。この時期に初めてA18Aエンジンが使用され、その後1986年には北米、欧州、大洋州向けのモデルにもA20Aエンジンが搭載されるようになりました。2010年以降、アコードクーペのモデルチェンジを経てA型エンジンの搭載も終了しました。

エンジンのバリエーション

ホンダ・A型エンジンにはいくつかの異なるバリエーションがあります。代表的なものは以下の通りです。

A16A

• - 弁機構：SOHC ベルト駆動（吸気2、排気1）
• - 排気量：1,596cc
• - 参考スペック：最高出力 64kW（88hp）/ 6,000rpm、最大トルク 123N·m（91lbf·ft）/ 3,500rpm

A18A

• - 弁機構：SOHC ベルト駆動（吸気2、排気1）
• - 排気量：1,829cc
• - 参考スペック：最高出力 81kW（110PS）/ 5,800rpm、最大トルク 149N·m（15.2kgf·m）/ 3,500rpm

A20A

• - 弁機構：SOHC ベルト駆動（吸気2、排気1）
• - 排気量：1,955cc
• - 参考スペック（キャブレタータイプ）：最高出力 77kW（105PS）/ 5,500rpm、最大トルク 152N·m（15.5kgf·m）/ 3,500rpm

この他にも、排ガス浄化装置の有無によるバリエーションも存在します。これにより、地域や環境基準に応じた仕様が用意されています。

搭載車両

A型エンジンは様々な車両モデルに搭載されました。A16Aはアコードの一部モデル、A18AやA20Aはアコード、アコードエアロデッキ、ビガーなどに使用されています。これにより、A型エンジンは多様な市場において広く受け入れられることとなりました。

まとめ

ホンダ・A型エンジンはその設計理念と環境性能から、長年にわたり多くの車両に搭載されてきました。エンジンの性能向上を目指すための技術革新は、今も続いています。

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