ホンダ・C型エンジン

ホンダ・C型エンジン

ホンダ・C型エンジンは、本田技研工業が製造したV型6気筒エンジンであり、主に大型車両やNSXに搭載されました。このエンジンは、高性能であることから自動車界において特筆すべき存在となっています。

機構の特徴

C型エンジンは、4バルブSOHC（シングルオーバーヘッドカムシャフト）という規格に基づき、吸気および排気バルブが各2つずつ配置されています。最初の世代、すなわちC20A、C25A、C27Aは、イギリスのブリティッシュ・レイランドと共同開発され、特にレジェンドおよびローバー・800に使用されました。このエンジンは、その出力取出軸端の回転方向が他社製エンジンと同じ反時計回りである点が特徴であり、次世代のJ型エンジンにも受け継がれています。

エンジンの吸気と排気は高い効率で行われるよう設計されており、各バルブの開閉はタイミングベルトにより駆動されるカムシャフトを通じて実行されます。これによりSOHCでありながら、点火プラグがDOHCエンジンのように燃焼室の中央に配置されるなどの構造上の工夫も見受けられます。また、V6エンジンとしては典型的な90度のバンク角を有し、これによりクランクシャフトのクランクピンを30度オフセットさせることで、等間隔爆発を実現しています。

ジェネレーション

第1世代：C20A/C25A/C27A

C20Aエンジンは、ウィングターボが装着されており、その過給圧はタービンハウジング内の可変ベーンによって制御されます。これにより、ターボラグが低減され、運転性能が向上しました。さらに、冷却水を用いたインタークーラーがシリンダーブロックのバンク内に配置されており、吸気管のレイアウトも工夫されています。

第2世代：C32A/C35A

この世代のエンジンは、ミッドシップレイアウトに適応するために縦置きの構造を採用しています。また、バルブ駆動のメカニズムが簡略化され、ロッカーアームを利用した方式へと変更されました。点火システムはダイレクトイグニッションへと改良され、高い信頼性と性能を実現しました。

DOHC VTECエンジン：C30A/C32B

C30Aは、NSX用に特化して開発されており、可変バルブタイミング機構であるVTECを装備しています。この技術により、中速域でのトルクと高速域での出力を両立させることが可能となりました。特に、B型エンジンを元にしたこの改良は、トルクとパワーのバランスを最適化します。点火システムも各気筒に対応したダイレクトイグニッションが採用されるなど、高回転に対する耐性も強化されています。

歴史

ホンダは、1985年10月に最初のレジェンドにC20AとC25Aを搭載して以来、90年代にはNSX向けにC30Aを発表しました。2005年にNSXの生産が終了した際に、C型エンジンの生産も同時に終了しました。このエンジンは、その性能の高さから数々のモータースポーツシーンで使用され、IMSAシリーズや日本のSUPER GTなどへの参加が見られました。

代表的なバリエーション

• - C20A: 標準仕様およびウィングターボを搭載したモデル、最高出力は145PSから190PS。
• - C30A: NSXに搭載され、最高出力は280PS。
• - C32B: NSX・タイプRバージョン、最高出力も280PS。

まとめ

C型エンジンは、ホンダの技術の結晶であり、エンジンの進歩を示す重要な存在です。その多様なバリエーションは、様々な車両に高性能を提供し、モータースポーツの舞台でも引き続き高い評価を受けています。

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