ホンダ・CB400スーパーフォア

ホンダCB400スーパーフォア：30年におよぶ歴史と進化

ホンダが1992年から2022年まで販売した名車、CB400スーパーフォア（CB400SF）とその派生モデルであるCB400スーパーボルドール（CB400SB）について解説します。約30年にわたる歴史の中で、幾度もの改良とモデルチェンジを重ね、多くのライダーから愛された名車です。

開発の背景と初代モデル (NC31)

CB400SFは、「PROJECT BIG-1」という開発コンセプトの下に誕生しました。このプロジェクトでは、4ストロークDOHC水冷直列4気筒エンジンを搭載し、ワイルドでセクシーなスタイル、そして感動的な走行性能を実現することを目標としていました。先行モデルであるCB-1の反省点を踏まえ、燃料タンク容量の増加、スタイルの改良などが行われました。CB750FやCBX400Fといった往年の名車からインスピレーションを受けたデザインは、多くのライダーを魅了しました。発売当初からその扱いやすさ、特にコーナリング性能の高さが評価され、サーキットレースでも活躍しました。また、Version RとVersion Sという派生モデルも登場し、それぞれ異なる魅力を提供しました。特にVersion Rは、ビキニカウルや専用パーツを装備したスポーティなモデルとして人気を集めました。

HYPER VTECシリーズの登場 (NC39)

1999年には、中型自動二輪車としては初となる可変バルブタイミング機構「HYPER VTEC」を搭載したNC39が登場。これは、エンジン回転数に応じて吸排気バルブの開閉数を切り替える技術で、燃費向上に貢献しました。その後、SPEC II、SPEC IIIと改良が重ねられ、LEDテールランプの採用、シートのローダウン化など、ユーザーのニーズに応じた改良が加えられました。2005年には、ハーフカウルを装備したツーリングモデル「CB400スーパーボルドール」が追加されました。

HYPER VTEC Revoと生産終了 (NC42)

2007年には、電子制御式燃料噴射装置PGM-Fiと改良型HYPER VTEC Revoを搭載したNC42が発売されました。ABSやETC車載器を装備したモデルもラインナップされ、時代の変化に対応した進化を遂げました。しかし、2022年、排出ガス規制強化に伴い、惜しまれつつも生産が終了しました。

教習車仕様 (CB400SF-K)

CB400SFは、その扱いやすさから、自動車教習車としても広く採用されています。教習車仕様であるCB400SF-Kは、NC31、NC39、NC42をベースに、エンジン出力の低減や安全装備の追加などの改良が加えられています。NC39ベースのモデルでは、HYPER VTEC機構をキャンセルし、常に2バルブのみで駆動する仕様となっています。これは、HYPER VTECのバルブ切り替えによる挙動変化が教習には不向きと判断されたためです。

各モデルの細かな違い

それぞれのモデルにおいて、細かな仕様の違いが存在します。例えば、Version RとVersion Sでは、ビキニカウル、ブレーキキャリパー、メーター、ホイールなどの仕様が異なっています。また、HYPER VTECシリーズでも、各SPECでテールランプ、ヘッドライト、シート、グラブレールなどの仕様が変更されています。これらの細かな違いが、それぞれのモデルに個性を与えています。

まとめ

CB400スーパーフォアは、長年にわたって進化を続け、多くのライダーに愛されてきた名車です。その扱いやすさ、優れた走行性能、そして多様なモデルバリエーションは、バイクの歴史に大きな足跡を残しました。排出ガス規制による生産終了は残念ですが、その歴史と功績はこれからも語り継がれていくでしょう。 様々なカスタムパーツの開発も盛んで、中古車市場でも人気が高く、今後も多くのファンを魅了し続けることでしょう。様々なバリエーションが存在したため、個々のモデルを比較検討するのもまた、CB400スーパーフォアの魅力の一つと言えるでしょう。

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