ホンダ・CL400

ホンダCL400：レトロな魅力と現代的な走りを両立した単気筒モデル

ホンダが1998年に発売したCL400は、1960～70年代に人気を博したスクランブラーシリーズの系譜を受け継ぐモデルとして注目を集めました。しかし、単なる復刻モデルではなく、現代的な走りを重視したオンロードバイクとして設計されています。

レトロなデザインと現代技術の融合

CL400のデザインは、往年のスクランブラーを思わせるレトロなスタイルを踏襲。しかし、単なる復刻ではなく、現代的な解釈を加えることで、洗練された都会的な雰囲気も併せ持ちます。丸みを帯びた燃料タンクや、アップタイプのマフラーなど、細部に至るまでこだわりが感じられます。

車体にはセミダブルクレードルタイプのフレームを採用し、フロントサスペンションはテレスコピック、リアはスイングアーム式。タイヤサイズはフロント90/100-19、リア110/90-18と、オンロード走行に最適化されています。スポークホイールもレトロな雰囲気を演出するポイントです。ブレーキシステムは、フロントに油圧式シングルディスク、リアに機械式リーディングトレーディングブレーキを採用しています。

力強い単気筒エンジンと独特の操作性

搭載されるエンジンは、空冷4ストローク単気筒のNC38E型。排気量は397ccで、最高出力は29ps/7,000rpm、最大トルクは3.5kg-m/5,500rpmを発揮します。1985年発売のGB400TT以来となる400ccクラスの単気筒エンジンは、力強いトルクとスムーズな回転フィールで、街乗りからワインディングロードまで軽快な走りを可能にします。

燃料供給はVEキャブレター、潤滑方式はドライサンプを採用。特徴的なのは、セルスターターを省略し、オートデコンプ機能付きのキックスターターのみを採用している点です。これは、往年のバイクらしいシンプルさを追求した結果と言えるでしょう。トランスミッションは5速マニュアルで、マフラーは左右2本出しのセンターアップタイプです。

惜しまれつつ生産終了

CL400は、2001年に姉妹車であるCB400SSが発売されましたが、大きな変更なく2002年に生産が終了しました。しかし、その独特のスタイルと力強いエンジン、そしてキックスターターのみという操作性は、多くのライダーに愛され、現在でも根強い人気を誇っています。シンプルながらも味わい深い一台として、多くのバイクファンを魅了し続けています。

まとめ

CL400は、レトロなデザインと現代的な性能を融合させた、ホンダの個性あふれるモデルでした。キックスターターという独特の仕様や、力強い単気筒エンジン、そしてシンプルながらも洗練されたデザインは、多くのライダーの心を掴みました。生産終了から年数が経っていますが、その魅力は色褪せることなく、現在でも中古車市場で高い人気を誇っています。

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