ホンダ・G型エンジン

ホンダ・G型エンジンについて

ホンダ・G型エンジンは、本田技研工業が手がけた大型車両向けの直列5気筒ガソリンエンジンです。このエンジンは、すべてSOHCで構成され、20バルブの構造を持ています。

エンジンの設計と機構

このエンジンはFF（前輪駆動）車両に特化した設計で、車両の重心を前輪車軸の後方に低く配置する「FFミッドシップレイアウト」が採用されています。エンジンは縦置きに搭載され、ドライブシャフトがオイルパンを貫通しないように工夫されています。また、エンジンは右側に35度傾斜をつけることで、さらなる低重心化を図っています。

バルブ構成は吸気2、排気2であり、点火プラグは燃焼室の中央に位置していますが、カムシャフトを避けるために吸気バルブ側に配置されています。シリンダーブロックはアルミニウム製で、振動を抑制するためのバランサーは初期モデルのみ装備されていましたが、後のモデルではエンジンマウントの改良に伴って廃止されました。

このエンジンはPGM-FI（プログラム制御燃料噴射）システムを採用しており、インテークマニホールドには可変吸気装置が搭載されています。エキゾーストマニホールドはステンレス製で5-3-1のレイアウトとなっており、後方には排気ガス浄化用の三元触媒が設置されています。

歴史と進化

G型エンジンの歴史は1989年に遡ります。この年、ホンダは初代アコードインスパイアや3代目ビガーにG20Aエンジンを搭載して発表しました。1992年には、インスパイアとビガー向けにG25Aエンジンが初めて採用され、1995年にはグランプリで披露されたコンセプトカーSSMにG20AをDOHC VTEC化して搭載しました。1998年にはインスパイアとセイバーのモデルチェンジに伴い、G型エンジンの生産が終了しました。

バリエーション

G型エンジンには主に二つのバリエーションがあります。以下で詳細を見ていきましょう。

G20A

• - 弁機構: SOHC ベルト駆動 吸気2 排気2
• - 排気量: 1,996cc
• - 内径×行程: 82.0mm×75.6mm
• - 燃料供給式: 電子制御燃料噴射式（PGM-FI）
• - 参考スペック（CC3 インスパイア）: 最高出力 114kW(165PS)/6,700rpm、最大トルク 186N·m(19.0kgf·m)/4,000rpm

G25A

• - 弁機構: SOHC ベルト駆動 吸気2 排気2
• - 排気量: 2,451cc
• - 内径×行程: 85.0mm×86.4mm
• - 燃料供給式: 電子制御燃料噴射式（PGM-FI）
• - 参考スペック（CC2 インスパイア）: 最高出力 140kW(190PS)/6,500rpm、最大トルク 237N·m(24.2kgf·m)/3,800rpm

搭載車種

各エンジンモデルはさまざまな車種に採用されています。G20Aはアコードインスパイアやビガー（CB5、CC3）、セイバー（UA1）、アスコット/ラファーガ（CE4）に搭載されました。一方、G25Aはインスパイア（CC2、UA2）やアスコット/ラファーガ（CE5）に搭載されました。

まとめ

ホンダ・G型エンジンは、そのユニークなデザインと優れた性能で、多様な車両に搭載されてきました。技術的な革新とともに、エンジンは進化し続け、ホンダの車両に重要な役割を果たしています。

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