ホンダ・QA50

ホンダ QA50：北米輸出向け小型オートバイ

ホンダQA50は、1970年から1975年にかけて北米市場向けに輸出された、小型のオートバイです。愛称や通称はなく、型式名で呼ばれるのが一般的です。その特徴的なデザインと軽量なボディ、そして独特の機能性から、多くの愛好家を魅了してきました。

モンキーとの関係性

QA50は、有名なホンダ・モンキーシリーズ、特に初期モデルであるZ50Mと深い関係があります。フレームや基本設計、前後5インチホイールといった主要なコンポーネントを共有しており、いわば姉妹車と言えるでしょう。しかしながら、エンジンやサスペンション、ハンドルなど、いくつかの重要な点で違いが見られます。

エンジンとサスペンション

モンキーZ50Mとは異なり、QA50はPC50型リトルホンダ用空冷4ストロークOHV単気筒エンジンを搭載しています。内径×行程は42.0×35.6mm、圧縮比は8.5、最高出力は1.8ps/6,000rpmと、小排気量ながら力強い走りを実現していました。また、トランスミッションは自動遠心式クラッチ付きの2段変速です。

サスペンションも特徴の一つです。リアサスペンションはリジット式で、シンプルな構造となっていますが、フロントサスペンションはZ50A型と共通の倒立式テレスコピック型を採用。路面からの衝撃を効果的に吸収し、快適な走行をサポートしました。

ボディと機能性

QA50は、ヘッドライトやウインカーなどの保安部品を一切装備しない、レジャー用途を強く意識したモデルです。そのため、非常に軽量で、乾燥重量は初期モデルでわずか38kgでした。折りたたみ式ハンドルは、自動車への積載を容易にするための工夫であり、そのコンパクトさが特徴の一つです。しかし、1973年モデル以降は固定式ハンドルに変更されています。

製造年と仕様の違い

QA50は、製造年によっていくつかの違いがあります。主な違いは、ボディカラーとハンドルのタイプです。

QA50 K0 (1970年～1972年): イエロー、グリーン、レッドの3色が設定され、ハンドルは折りたたみ式でした。
QA50 K1 (1973年): ブルーメタリックとレッドが設定され、ハンドルは固定式に変更されました。
* QA50 K2 (1974年)とQA50 K3 (1975年): オレンジ一色となり、ハンドルは固定式でした。

車体番号も製造年によって異なっており、K0はQA50-1000001から、K1はQA50-2000001から、K2はQA50-3000001から、K3はQA50-4000001から始まります。

まとめ

ホンダQA50は、モンキーと共通点を持つながらも独自の個性を持つ小型オートバイでした。軽量コンパクトなボディ、シンプルな機能性、そして時代を感じさせるデザインは、現代においても多くのファンを魅了し続けています。その歴史と特徴を知ることで、QA50の魅力をより深く理解できるでしょう。 レジャー用途に特化し、その手軽さと機動性から、幅広い層に愛されたモデルと言えるでしょう。

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