ホンダ・RA168E

ホンダ・RA168E

ホンダ・RA168Eは、本田技研工業が開発したフォーミュラ1用エンジンであり、1988年にその性能が発揮されました。このエンジンは、ホンダF1の第2期における最後の1.5リットルV6ツインターボエンジンで、1985年から続くRA165E系列に位置付けられています。

開発の背景

1988年のフォーミュラ1世界選手権では、新たなレギュレーションの影響で、エンジンの過給圧や燃料搭載量に厳しい制限が設けられました。このような変化に対応するため、RA168Eでは高い熱効率を追求し、特に圧縮比を前年よりも高めることでパフォーマンスを向上させました。また、ボアとストロークの比率もロングストローク寄りに変更されています。これにより、出力を最大限に引き出しつつも、連続的なパフォーマンスを維持させる工夫が施されています。

エンジンスペック

RA168Eの構造は以下のようになっています：

• - エンジン形式: 水冷V型6気筒DOHC24バルブ
• - バンク角: 80度
• - 総排気量: 1,494cc
• - ボア×ストローク: 79.0mm × 50.8mm
• - 圧縮比: 9.4
• - 最大過給圧: 2.5bar
• - 最大出力: 685PS（12,300rpm）
• - 燃料: トルエン84%＋ノルマルヘプタン16%

このように設計されたRA168Eは、厳しい競争環境の中で高い出力を誇るエンジンとして、多くの指示を受けました。

搭載マシン

RA168Eを搭載した代表的なマシンには、マクラーレン・MP4/4やチーム・ロータスのロータス・100Tがあります。特に、マクラーレン・MP4/4はその速さと信頼性から、1988年のシーズンを圧倒的に制覇しました。この車両は、優れた空力特性とエンジンの性能によって、多くのレースで勝利をものにしました。

まとめ

ホンダ・RA168Eは、1988年のF1シーズンにおける技術革新の象徴であり、フォーミュラ1用エンジンの進化を示す重要なモデルです。このエンジンは、その高い熱効率とパフォーマンスにより、フォーミュラ1の歴史の中で特別な位置を占めています。今後もその影響は、後世のエンジン開発に引き継がれて行くことでしょう。

参考文献

• - 『F1解剖講座 - データで見るF1グランプリ』二玄社、1990年 ISBN 4-544-04037-X

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