ホンダ・SL230

ホンダ SL230：街乗りから軽オフロードまでこなす、扱いやすいデュアルパーパスバイク

ホンダが1997年から2005年まで製造・販売していたSL230は、230ccエンジンを搭載したデュアルパーパスバイクです。オンロードとオフロードの走行を両立できる設計が魅力で、多くのライダーに親しまれていました。

SL230の設計思想：扱いやすさと多様性を両立

SL230は、気軽に楽しめる軽快な走りを目指して設計されました。乾燥重量105kgの軽量な車体は、取り回しやすさを実現。足着き性の良いシート形状も相まって、初心者でも安心して乗れる設計となっています。レンサル社製のアルミハンドルは、操作性を高め、長時間の走行でも疲れにくい工夫が施されています。街乗りからちょっとしたオフロード走行、ツーリングまで、幅広い用途に対応できる汎用性の高さが特徴です。

スペック詳細：扱いやすい設計が随所に

SL230の心臓部には、223ccの空冷4ストローク単気筒エンジンを搭載。最高出力20ps、最大トルク2.1kg-mを発揮します。扱いやすいエンジン特性と、6速マニュアルトランスミッションの組み合わせにより、スムーズで快適な走りを提供します。始動方式はセルモーターのみで、手軽にエンジンを始動できます。

シャシーはダイヤモンド型のフレームを採用し、サスペンションはフロントがテレスコピック、リアがプロリンク式スイングアームです。ブレーキは前後油圧式シングルディスクで制動力を確保。タイヤサイズはフロントが2.75-21、リアが120/80-18（チューブレス）と、オンオフロード両用を想定したサイズが選択されています。

モデル遍歴：改良を重ね、進化を遂げたSL230

SL230は、発売後も継続的に改良が加えられました。1998年にはフレーム剛性の向上やシート形状の変更、ヘルメットホルダーの位置変更などのマイナーチェンジを実施。1999年には平成10年排出ガス規制に対応するため、エアインジェクションシステムの搭載や、フレーム、サスペンション、点火装置などの強化、さらなる燃費向上を実現しました。その後も、カラーリングの変更などが行われ、2005年に後継車種であるXR230が登場するまで、多くのライダーに愛されるモデルとして活躍しました。

姉妹車との関係：共通の技術を共有

SL230は、ホンダの他のモデルと共通のコンポーネントを多く共有していました。FTR（MD34型）、XL230、XR230シリーズ、CB223Sなどは、エンジンやその他の部品を共通化することで、コスト削減と開発効率の向上を実現しています。

SL230の評価：信頼性と扱いやすさで人気を博す

SL230は、その軽量で扱いやすい車体、信頼性の高いエンジン、そして幅広い用途に対応できる汎用性から、多くのライダーに支持されました。初心者からベテランまで、幅広い層に愛されたモデルと言えるでしょう。その高い人気は、後継車種であるXR230にも受け継がれ、ホンダのデュアルパーパスモデルとしての地位を確立しました。現在では生産が終了していますが、中古市場でも根強い人気を誇り、多くのライダーによって今もなお大切に乗り継がれています。

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