ホーカー シーホーク

ホーカー シーホーク (Hawker Sea Hawk)

ホーカー シーホークは、イギリスの航空機製造会社であるホーカー社が開発した艦上ジェット戦闘機です。この機体は、第二次世界大戦後にイギリス海軍で使用され、多くの実績を残しました。

概要

この機体は、初めは陸上戦闘機として試作されたP.1040から派生しています。初飛行は1947年に行われ、1953年には量産型のF.1が部隊に配備されました。当時、ホーカー社はハンター戦闘機の大規模な生産を行っていたため、F.2以降のラインはアームストロング・ホイットワース社によって引き継がれました。特筆すべき点は、主翼の根元に配置されたエンジンノズルが特徴的な設計であり、エンジンは単発配置ですが、胴体後部に広い燃料タンクスペースを確保しました。

当初は完全な戦闘機としての開発が進められましたが、FB.3型からは主翼の構造が強化され、戦闘爆撃機としても使用可能になりました。続いて、対地攻撃能力が強化されたFGA.4、およびエンジン出力が向上したFB.5、FGA.6といった改良型も順次登場しました。イギリス海軍の主力艦上戦闘機として、特に第二次中東戦争では重要な役割を果たし、1960年12月に退役するまで多くの任務を全うしました。

輸出履歴

1950年代後半から輸出も開始され、イギリス以外での運用も見られました。西ドイツ海軍では、地上基地から対艦攻撃機として配備され、その後の1960年代中頃にはF-104G戦闘機に置き換えられました。オランダ海軍とインド海軍も各々の空母において運用し、特にインド海軍では第三次印パ戦争で実戦投入され、1984年まで現役であり続けました。

派生型

• - P.1040: シーホークの試作機。
• - シーホークF.1: ニーンMk.101エンジンを搭載した初期生産型。95機製造。
• - シーホークF.2: 自動制御式エルロンを備えた生産型。40機製造。
• - シーホークFB.3: 戦闘爆撃機型で66機製造、うち50機はFB.5に改造。
• - シーホークFGA.4: 戦闘攻撃機型。97機製造。
• - シーホークFB.5: ニーンMk.103エンジンを搭載し、FB.3から50機が改造されて就役。
• - シーホークFGA.6: ニーンMk.103を搭載したFGA.4の改良型。合計101機製造。
• - シーホークFGA.50: オランダ海軍向けに製造されたFGA.6。22機。
• - シーホークFGA.100: 西ドイツ海軍向けの主翼を再設計した輸出型。32機製造。
• - シーホークFGA.101: 西ドイツ海軍の全天候型。32機製造され、翼下には偵察用レーダーが装備。

仕様（FGA.6型）

• - 乗員: 1名
• - 全幅: 11.89m
• - 全長: 12.09m
• - 全高: 2.64m
• - 総重量: 7,327kg
• - 空虚重量: 4,208kg
• - エンジン: ロールス・ロイス・ニーン MK.103 ターボジェットエンジン（推力2,359kg）×1基
• - 最大速度: 964km/h
• - 実用上昇限度: 13,600m

武装

• - 機関砲: 20mm イスパノ Mk V ×4
• - 爆弾: 227kg ×4
• - ロケット: RP-3無誘導ロケット弾（27kg）×20基、127mm無誘導ロケット ×16基
• - 増槽: 410リットル ×2

ホーカー シーホークは、その多様な運用能力と印象的な設計により、海軍航空機の中でも特に記憶に残る存在です。

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