ホークウインド

ホークウインド (Hawkwind)

ホークウインドは、1970年にデイヴ・ブロックを中心にイングランドで結成された、伝説的なスペース・ロックバンドです。その音楽性は、時代とともにサイケデリック・ロック、プログレッシブ・ロック、ハード・ロックなど、多様な要素を取り込みながら進化を続け、50年以上にわたり音楽シーンで独自の存在感を放っています。

バンドの歴史

ホークウインドは、ノッティング・ヒルで活動していた「ホークウインド・ズー」というバンドが前身です。1969年にバンド名を短縮し、ユナイテッド・アーティスツ・レコードとの契約を経て、1970年にセルフタイトルのアルバム『ホークウィンド』でデビューしました。初期の頃から、ライブパフォーマンスにヌード・ダンサーのステイシアを起用するなど、視覚的な要素も重視したステージングが特徴でした。

1972年には、後にモーターヘッドを結成するレミー・キルミスターがベーシストとして加入。同年、シングル「シルバー・マシーン」が全英3位の大ヒットを記録し、バンドの知名度を飛躍的に高めました。1974年発表のアルバム『ホール・オブ・ザ・マウンテン・グリル (永劫の宮殿)』からは、サイモン・ハウスがヴァイオリンで参加し、音楽性の幅を広げました。

SF作家マイケル・ムアコックの影響を受けた1975年のアルバム『絶体絶命』では、より壮大でSF的な世界観を打ち出しました。しかし、同年にはキルミスターがバンドを解雇され、カリスマ・レコードへ移籍後、1978年に一時活動を休止します。活動休止中、ブロックはホウクローズ名義でアルバムを発表し、ハウスはデヴィッド・ボウイのバックバンドに加入するなど、各メンバーはソロ活動を展開しました。

1979年にブロックを中心に活動を再開。1980年には、元クリームのジンジャー・ベイカーがドラムとして参加したアルバム『宇宙遊泳 - レヴィテイション』を発表しました。

ホークウインドのファンは、ヒッピー的な価値観やライフスタイルを持つことで知られ、イギリスでは「クラスティー」と呼ばれることもあります。2011年には初の来日公演が予定されていましたが、東日本大震災の影響でキャンセルとなり、2015年4月に改めて来日公演が実現しました。2019年には、バンド結成50周年を記念したツアーを開催し、エリック・クラプトンやフィル・キャンベルといった豪華ゲストが参加しました。

創設者であるブロックを中心に、メンバーチェンジやレーベルの移籍を繰り返しながらも、現在に至るまで精力的に活動を続けています。

備考・補足

2000年代以降、過去のアルバムのリマスター再発が進められる中、『絶体絶命』だけは権利関係の問題でなかなか再発されませんでした。ブロックは、当時のマネージャーとレミー・キルミスターとの間に確執があり、権利交渉が難航していたことを明かしています。最終的には、ブロック自らがキルミスターと交渉し、権利を譲り受けることで再発が実現しました。

ブロックは、2014年のインタビューで、体調を崩していたキルミスターを気遣うコメントを残していましたが、翌年キルミスターは他界しました。また、1973年のライブアルバム『宇宙の祭典』を完全再現するライブを2014年に一度だけ行っています。

メンバー

現ラインナップ（2021年11月時点）

デイヴ・ブロック (Dave Brock) - ボーカル/ギター/キーボード (1969年-)
リチャード・チャドウィック (Richard Chadwick) - ドラムス/ボーカル (1988年-)
マグナス・マーティン (Magnus Martin) - ギター/キーボード (2017年-)
ダグ・マッキノン (Doug MacKinnon) - ベース (2021年-)
* サイポールサンドラ (Thighpaulsandra) - キーボード (2021年-)

過去のメンバー

(省略。原文参照)

ディスコグラフィ

スタジオ・アルバム

(省略。原文参照)

ライブ・アルバム

(省略。原文参照)

ホークウインドは、その長きにわたるキャリアの中で、数多くのミュージシャンが参加し、多様な音楽性を追求してきました。彼らの音楽は、スペース・ロックというジャンルを超え、多くのアーティストに影響を与え続けています。

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