ホースシュー・ベンドの戦い

ホースシュー・ベンドの戦い：クリーク戦争の転換点

ホースシュー・ベンドの戦いは、1814年3月27日にアラバマ州で繰り広げられた、アメリカ軍と同盟インディアン連合軍と、クリーク族の一派であるレッド・スティックスとの間の激戦です。この戦いは、クリーク戦争のクライマックスであり、アンドリュー・ジャクソン将軍率いる連合軍が決定的な勝利を収めました。

戦いの背景

クリーク戦争は、もともとクリーク族内の内戦として始まりましたが、イギリス軍やショーニー族のテカムセ酋長の扇動により、米英戦争の一部ともみなされています。アメリカ軍は、アラバマ州周辺でのインディアンの脅威を取り除くため、ジャクソンを司令官として派遣しました。ホースシュー・ベンドの戦いは、その中でも最大規模の戦闘となりました。ジャクソンは、テネシー民兵を精強な軍隊に育て上げ、さらにアメリカ陸軍第39歩兵連隊、チェロキー族、およびローワー・クリーク族のインディアン兵士約600名を加え、総勢2000人を超える連合軍を組織しました。

1814年春、ジャクソン軍は、タラプーザ川の屈曲部にあるホースシュー・ベンドに陣取るレッド・スティックスの指導者メナワの部隊を追跡しました。ジャクソンはカフィ将軍の騎兵隊と同盟インディアン部隊を、敵の宿営地を回り込むように送り込み、自身は残りの歩兵部隊を率いて、宿営地の北側に展開しました。

戦闘の経過

3月27日午前10時半、ジャクソンは2門の大砲による砲撃を開始しました。しかし、この砲撃はレッド・スティックスの陣地に大きな損害を与えることはできませんでした。その後、カフィ将軍率いる騎兵隊とチェロキー族が川を渡り、背後からレッド・スティックスを攻撃しました。続いて、ジャクソンは歩兵隊に銃剣突撃を命じました。歩兵隊は、宿営地を取り囲む胸壁に迫り、レッド・スティックスに十字砲火を浴びせました。この戦いには、後にテネシー州とテキサス州の知事となるサミュエル・ヒューストンも従軍しており、バリケードを越える際に負傷しました。

激戦は約5時間に及び、レッド・スティックスの戦士約550名が戦死し、残りの多くも川を渡ろうとする際に命を落としました。ジョン・イートン上院議員は、この戦いが「敵の野望に鉄槌を下し、二度と立ち上がることができなかった」と記しています。メナワ酋長は重傷を負いながらも生き残り、残りの約200名の戦士と共に、スペイン領フロリダのセミノール族の保護下に逃れました。

戦後、テネシー民兵は正確な死者数を把握するため、クリーク族の遺体から鼻を切り取りました。また、一部の兵士は馬の手綱を作るために、遺体から皮膚を剥ぎ取ったとされています。

戦いの結果

この勝利を受けて、1814年8月9日、アンドリュー・ジャクソンはクリーク族にジャクソン砦条約の調印を強制しました。この条約により、クリーク族はアラバマ州の半分とジョージア州南部、合計93,000平方キロメートルの土地をアメリカ合衆国に割譲することになりました。ジャクソンは、戦争中にアメリカ軍に協力したクリーク族に対しても同様に土地を没収しました。割譲された土地のうち7,700平方キロメートルは、アメリカ軍に協力したチェロキー族が要求しました。この戦いでの勝利とその後のニューオーリンズの戦いでの勝利により、ジャクソンは国民的英雄となり、1828年の大統領選挙で勝利を収めることになりました。

現在、戦場跡はホースシュー・ベンド国定軍事公園として保存されており、歴史を学ぶ上で重要な場所となっています。

戦いの意義

ホースシュー・ベンドの戦いは、クリーク戦争の終結を決定づけただけでなく、アメリカ史において重要なターニングポイントとなりました。アンドリュー・ジャクソンの名声を高め、後のアメリカ政治に大きな影響を与えることになったのです。

参考文献

Steve Rajtar, "Indian War Sites" (McFarland and Company, Inc., 1999)
John Ehle, Trail of Tears The Rise and Fall of the Cherokee Nation (Anchor Books Editions 1989), pg 117-121 ISBN 0-385-23954-8
Andrew Burstein The Passions of Andrew Jackson (Alfred A. Knopf 2003), p. 105-106 ISBN 0-375-71404-9

外部リンク

See The Battle of Horseshoe Bend: Collision of Cultures - National Park ServiceのTeaching with Historic Places
* A map of Creek War Battle Sites - PCL Map Collection at the University of Texas at Austin

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