ホーム・スイートホーム

映画『ホーム・スイートホーム』シリーズについて

『ホーム・スイートホーム』は2000年、『ホーム・スイートホーム2 日傘の来た道』は2003年に公開された日本映画です。どちらの作品も高齢者問題をテーマとしており、現代社会における重要な課題を深く掘り下げています。この映画シリーズの特徴は、市民が主体となって制作された点にあります。

市民による映画制作

この映画は、市民が自分たちの手で映画を作りたいという熱意から生まれました。2000年、東京都中小企業家同友会の有志が出資し、製作会社「有限会社シネマエンジェル」が設立されました。資金調達からプロデュース、広報、営業、配給、上映の手配まで、すべてが市民の手によって行われました。制作費の一部は「市民ファンド」によって調達され、市民の映画を市民の手で作るという理念が貫かれました。

自主配給・自主上映方式

高齢者問題をテーマにした映画は大手映画会社の配給網に乗せることが難しいため、全国上映は「デイ・プロモーター方式」という自主配給・自主上映方式が採用されました。この方式は、映画館以外の場所でも上映を可能にし、より多くの人々に映画を届けることを目指しました。一部の大都市圏では単館上映も行われましたが、全国各地での上映は、口コミで評判が広がり、第1作は全国1000箇所で上映されるという成功を収めました。第2作も現在も各地で上映が続けられています。

作品の詳細

第1作『ホーム・スイートホーム』

2000年11月18日に一般公開されました。岩手県岩手町がロケ地として協力しています。

スタッフ
製作者：三宅一男
原作・脚本：松山善三
監督：栗山富夫
音楽：甲斐正人
撮影：佐々木原保志

キャスト
山下宏：神山繁
山下和代：酒井美紀
山下太郎：小林稔侍
山下菊子：風吹ジュン
城山昌子：横山通乃
溝口松子：喜多嶋舞
溝口史郎：戸田昌宏
佐々木勉：向井智紀
田村ゆき：藤代佳子
甲川道子：大保道代
鈴木元子：深町稜子
村越りん：安田真智子
警察官：笹野高史、中村梅雀
菊寿司職人：原一平

第2作『ホーム・スイートホーム2 日傘の来た道』

2003年11月18日に一般公開されました。愛媛県今治市が物語の舞台となり、地元の全面協力のもと撮影されました。

スタッフ
製作：キネマ・エンタープライズ、TBS、木下プロダクション、シネマエンジェル
脚本：高橋正圀
企画・監督：栗山富夫
音楽：かしぶち哲郎
撮影：佐々木原保志

ロケ地
タオル美術館ASAKURA
松山空港
伊予桜井駅
日本食研
今治造船
四国霊場第58番札所仙遊寺
越智無線パーツ

キャスト
正岡秀清：柴田恭兵
正岡秀臣：財津一郎
正岡律子：石田えり
村上貫太郎：織本順吉
村上和歌子：原日出子
正岡明日香：冨貴塚桂香
正岡秀一：浅利陽介
秋野太作
藤岡弘、
ウガンダ・トラ
渡辺哲
川島雅枝
横山通乃

外部リンク

* 映画の時間ホームページ「ホーム・スイートホーム 作品情報」


この映画は、高齢者問題という社会的なテーマを扱いながらも、市民の力で映画制作が可能であることを示しました。また、自主配給・自主上映方式によって、大手映画会社の配給網に頼らずとも、多くの観客に感動を届けることができるという、新たな映画の可能性を示した作品と言えるでしょう。

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