ホ203

ホ203航空機関砲

ホ203（ホ二〇三）は、第二次世界大戦中に大日本帝国陸軍によって使用された航空機関砲であり、主に対B-29爆撃機を撃墜するために設計された。日本陸軍の依頼を受けて1940年に日本特殊鋼によって試作され、その後自動式に改修された。

概要

ホ203の開発過程は明確ではないが、日本特殊鋼は1939年に37mm高射兼対戦車砲を製造しており、この技術を基に航空用の機関砲を設計した。1943年には二式複座戦闘機「屠龍」にホ203を搭載するための試作機が開発され、1944年には65機の改修機が完成した。武装は1門のホ3機関砲と機首にホ203を搭載しており、砲架は鋼管で製作された。

ホ203は、弾薬として37 x 112mmの有起縁式弾を使用し、徹甲弾や榴弾など多様な種類の弾薬が存在した。その威力は、ホ3の3.3倍に相当し、重爆撃機を一撃で撃墜する能力があったとされる。弾頭の設計上、爆発防止のために初回の弾薬は抜かれ、実際の発射数は15発であった。

戦術と威力

ホ203を搭載した二式複戦は、日本本土防空戦で特に活躍した。B-29爆撃機に対抗するための攻撃機として、高い攻撃力を生かし、数々の戦果を上げた。しかし、ホ203自体は扱いが難しく、空中戦においては一発一撃に頼った攻撃を強いられた。

実戦においては、キ45がB-29の前方から射撃することが多く、発砲可能な弾数は限られていた。例えば、1944年には、キ45がB-24に対して大きな戦果を挙げており、直接的にB-24のエンジンや主翼を打撃することで、撃墜に成功した。特にホ203の威力は実証されており、ある戦闘では、B-29のエンジンを破壊し墜落させるなど、その効果を示した。

また、1944年6月には、B-29編隊に対してキ45が迎撃を行い、その戦闘で数機のB-29を撃墜した。その際、ホ203の一撃が致命的なダメージを与え、敵機を分解に追い込むこともあった。このように、多くの撃墜例があり、ホ203の装備は日本陸軍にとって非常に重要なものであった。

搭載機

ホ203は、主に二式複座戦闘機「屠龍」（キ45改）やキ102甲に搭載されていた。これにより、戦術的に優れた運用が可能となり、特に重爆撃機に対する防空戦でその役割を果たした。ホ203は、戦局においても重要な兵器として位置付けられ、多くのパイロットがその威力を活かすことに成功した。

参考文献

• - 『世界の傑作機　No.21 陸軍2式複座戦闘機「屠龍」』
• - 『航空ファン イラストレイテッド 97-2 No.92 日本陸軍機　キ番号カタログ』
• - 『双発戦闘機「屠龍」一撃必殺の重爆キラー』
• - 『日本陸軍の火砲 機関砲 要塞砲 続 日本の陸戦兵器徹底研究』
• - 『世界の傑作機スペシャルエディション No.7 陸軍2式複座戦闘機 屠龍』

ホ203は、その高い威力と戦術的運用により、特に日本陸軍における防空戦で重要な役割を果たし、多くのエース・パイロットを育成することに寄与した。

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