ホ501

ホ501/ホ五〇一の概要

ホ501（ホ五〇一）は、大日本帝国陸軍の航空機に搭載されることを想定して開発された砲です。この砲は、昭和17年（1942年）末ごろから始まった日本陸軍のB-17攻撃に対する研究の一環として生まれました。戦闘機や爆撃機の性能向上にともない、敵機に対抗するための効果的な武器が急務とされたのです。

当初はB-17に対する楽観的な見方がありましたが、実際のB-17は16mmの厚い装甲に守られており、数百発の7.7mm機関銃弾を耐えることができる強敵であることが分かりました。これを受けて、日本陸軍はB-17対策委員会を設置し、機関砲の口径を増大させる方針を決定します。

この時期、日本陸軍は多様な新型機関砲の開発を進めていました。昭和18年度には、37mmの「ホ203」、40mmの「ホ301」、57mmの「ホ401」といった機関砲が計画され、特に重視されたのが飛行機搭載用の大口径砲です。これには75mm砲を改造したホ501も含まれ、運動性能の良好な四式重爆撃機への搭載が想定されていました。

しかしながら、ホ501は試作段階で終わってしまうという説もあり、実際には戦局の変化により計画が中止されたとも言われています。それでも、日本特殊鋼の関係者によれば、2門のホ501が完成したという回想も存在します。結局、ホ501は、当初の予定よりも実用化が進まず、代わりに八八式七糎高射砲を改修したものが搭載されることになりました。

設計においては木本寅吉技師を中心に開発が進められ、ホ501は全長4m、重量450kgの機関砲として完成しました。発射速度は約60発毎分、初速は500m/sという性能を誇ったとされています。これにより、ホ501は日本陸軍の航空兵器の中でも重要な位置を占める存在となりました。

また、航空本部の昭和十九年度航空武器弾薬整備計画では、ホ501の整備が20門分計画され、榴弾5000発に加え、代用弾5000発の量産を目指しました。このように、ホ501はその性能と設計の過程において、当時の航空法規を象徴する兵器として位置づけられていたのです。

戦後、アメリカ軍はこのような航空兵器の技術を調査し、ホ501の特性を分析しました。これにより、日本が戦局において用いた先進技術の一端を理解し、後の航空兵器開発に影響を与えることとなったのです。今もなお、この時代の技術革新は、様々な文献や資料を通じて語り継がれています。

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