ボイジャー1号

ボイジャー1号 (Voyager 1)

概要

ボイジャー1号は、1977年9月5日に打ち上げられたNASAの無人宇宙探査機で、現在も運用が続けられています。地球から最も遠くに到達した人工物として知られ、太陽系の外側を探索中です。元々の任務は木星と土星、それらの衛星や環の観測でした。2004年には、距離約140億km (95AU) で太陽風の速度が急激に減少し、星間物質が検知され、研究者が初めて星間空間のデータを得ることに成功しました。2012年には太陽系の境界を超え、星間空間への航行を開始したと発表されました。

ミッション計画と打ち上げ

ボイジャー1号は、もともとマリナー11号として計画されていましたが、その後の知見により惑星グランドツアーの一部として設計されました。このグランドツアーでは、巨大ガス惑星である木星、土星、天王星、海王星の探査を目指しています。1977年9月、フロリダ州のケープカナベラル空軍基地から打ち上げられ、ボイジャー2号よりも早く木星と土星に到達しました。

木星の観測

1979年1月に木星の観測を開始し、最接近は3月5日でした。接近時に得られた観測データは極めて重要で、特にイオの火山活動の存在が初めて確認されました。

土星の探査

1980年11月には土星にも近接し、環の構造やタイタンの大気の内容についての貴重なデータを収集しました。タイタンの存在は当時注目されており、ミッションには重要な意味がありました。

星間ミッション

ボイジャー1号は、星間空間に入った後も様々な観測を行い続けており、太陽系外の紫外線の波長域を捉えることができました。2012年にヘリオポーズに到達し、その後も様々なデータを地球に送信しています。2025年まで十分な電力が供給できると予想されています。

ヘリオシースとヘリオポーズ

ボイジャー1号は2004年12月にヘリオシースに入ったと考えられており、その後、2012年にヘリオポーズに到達したと確認されました。最近のデータでは、星間空間にすでに入っていたことが示され、宇宙の新たな探検が期待されています。

飛行距離

ボイジャー1号は、現在約216億km（143.855AU）の距離にあり、太陽との相対速度は約16.977km/sです。今後もほぼ一定の速度で星間空間を飛行し続け、最も近い恒星系には到達するまでに約8万年かかるとされています。実際には、へびつかい座の方向へ進んでおり、数万年後には別の星にも接近する予定です。

このように、ボイジャー1号は人類の宇宙探査の歴史の中で特筆すべき成果を上げ続けており、太陽系外の新たな知識を提供し続けています。

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